トリニータ ベンチメンバー活躍の陰に“修行”あり

2018/11/21
  • 大分トリニータ

 片野坂知宏監督の選手選考には三つの基準がある。一つ目はゲームプラン、二つ目はコンビネーション、三つ目がコンディションだ。ゲームプランとコンビネーションは、指揮官の采配に委ねられる。例え試合でベストパフォーマンスを見せて得点したとしても次の試合に出場できる保証はないのだから、シーズンを通してモチベーションを保つことは容易ではない。

 

 修行にも苦しんだ時期はある。だが彼は清々しい表情で言った。「このチームでJ1に上がりたい」。そのために“見えない仕事”を率先すると決めた。自分のこと以上にチームのことを考え、チームを引っ張り、仲間を盛り上げ、一番真面目に練習し、誰よりも努力した。試合に出られず心の火が消えかけた選手に対し、クールダウンのランニングで並走しながら「腐っている時間がどれだけ無駄な時間を過ごすことになるのか」を説いた。食事に誘い、たわいもない話をして心を解きほぐしたことは一度や二度ではない。今季、多くの選手が修行の心遣いに救われた。

 

 勝っても負けてもおごることもなく、チームのために尽くそうと努力する。今季一度もピッチに立っていない地味なヒーローの存在を知ってほしい。

 

今季も誰よりも努力を惜しまず練習した

 

(柚野真也)

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