大分トリニータ 「高木ロス」とは言わせない 【大分県】

2023/08/18
  • 大分トリニータ

 もちろんクラブは慰留に全力を尽くした。移籍の意向を聞いた翌日の朝、西山哲平GM、柿本倫明強化部長、上本大海スカウトの3人がそろって交渉の席に着くのは異例のことだ。「クラブにとって絶対的な選手」との思いを伝えた。上本は「哲平さんがあれほど思いの丈を口にしたことはない」と述懐する。ただ、強化の3人も選手を経験し、移籍を経験しているからこそ高木の思いが痛いほど分かった。「選手ファースト」と耳なじみの良い言葉で片付けることはできないが、高木の選択を後押しした。

 

 ただ、「高木ロス」になるほどチームはもろくはない。下平隆宏監督は「高木が抜けたから弱くなったと思われたくない思いは選手にもあるし、僕もそう。新たに新しいものができるチャンスと捉えている」と前を向く。生え抜きのFW藤本一輝は、「選手が抜けるのはサッカーでは当たり前のこと。僕らは勝つことだけを追い掛けたい」と話し、GK西川幸之介は「追い超すことができないまま抜けられたのは悔しいが、(高木)駿くんが担っていた存在感を僕が引き継ぐ。やるしかない」と強い思いを示した。

 

高木超えの思いが強まる西川幸之介

 

 

(柚野真也)

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