大分トリニータ 「高木ロス」とは言わせない 【大分県】

2023/08/18
  • 大分トリニータ

 8月16日、大分トリニータのオフィシャルホームページに、GK高木駿のJ1コンサドーレ札幌完全移籍のリリースが流れた。12日の30節・藤枝MYFC戦で高木は16試合ぶりに先発復帰し、低迷するチームの悪い流れを断ち切る勝利に貢献した。それだけに突然の移籍に驚いたファンやサポーターは多いようだが、伏線はあった。5年ほど前から札幌のペドロビッチ監督は高木に興味を示していた。あいさつを交わすように「そろそろ札幌に来ないか」と会話を重ねていたという。それは周知の事実で、吉坂圭介GKコーチは今回の移籍に「やっと正式オファーが来たか」と、愛弟子の旅立ちに悲喜こもごもの様子だった。

 

 高木はGKでありながらフィールド選手並みの足元の技術で、相手を引きつけつつ慌てずパスを回す。GKが攻撃の組み立てに加わる大分の戦術の象徴的存在だった。2018年から2シーズンは全試合に先発出場したが、ここ数年は定位置を失い、「自分のパフォーマンスに対して何かを変えないといけないと思っていた」。今回の札幌のオファーは即戦力として期待されているもので、高木にとって「チャンスをつかむタイミング」であった。一方で、「チームを引っ張れる選手に成長させてくれた」チームへの恩もある。移籍と残留の選択をするのは苦渋の決断だったが、「サッカーができ、輝ける時間は少ない」と34歳の挑戦を選んだ。

 

移籍会見で大分への感謝を口にした高木駿

 

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