大分トリニータ 労を惜しまぬハードワーカー茂平 【大分県】
2023/04/07
- 大分トリニータ
J1昇格を目指す大分トリニータにとって、連敗は許されなかった。6節の大宮戦で今季初黒星、7節の対戦相手はJ1から降格した磐田であったこと、連敗が自信を失わせること、逆に白星でチームが再び勢いを取り戻すこと…。すべて苦しみ抜いた昨季に痛感している。顔をのぞかせつつあった暗雲を振り払うためには、勝ち点3が必要だった。
そのような中で迎えた磐田戦。序盤戦とはいえ上位争いに踏み止まるか大事な一戦で、輝いたのが茂平だった。前半39分、FKの流れから野村直輝のクロスを伊佐耕平が頭で折り返したボールに茂が反応した。「胸トラップで相手のマークを外すまでは良かったが、少し浮いたので蹴り込んだ」。体が勝手に動いたというバイシクルシュートで貴重な先制点を生み出し、チームに勢いを与えた。
茂は大分トリニータU-18から立命館大を経て、2016年にJFLの奈良クラブに入った。J3の北九州、秋田でJ2昇格を経験するなど、各所属チームで実績を積み、ステップアップした。順風満帆のサッカー人生ではなかったが、「試合に出ることで成長できた。高校を卒業してプロにはなれなかったが遠回りではなかった」と振り返る。
味方のために体を張り、戦う茂平