大分トリニータ 下平隆宏監督インタビュー 「攻め勝つサッカーをしたい」

2022/02/18
  • 大分トリニータ

 明日、Jリーグが開幕する。1年でのJ1復帰を目指す大分トリニータは、何よりも結果が求められるシーズンとなる。6年間チームを率いた片野坂知宏前監督の下、チームには「カタノサッカー」と呼ばれる「色」が付いていた。そのチームを引き継ぎ、どんな色を付け、どんな方向へと導くのか。新たな指揮官、下平隆宏監督に話を聞いた。

 

 片野坂前監督のチームへの貢献を考えれば、後任を引き受けるのは、どんな監督にとっても難しい選択だと考えられる。そんな中就任したのが、柏レイソルや横浜FCを率いた下平監督だった。今回の監督就任は、どんな選択だったのだろうか。

「トリニータを選んだ理由としては、下地がしっかりあること。片野坂前監督が非常にいいスタイルを築き上げていました。私自身と(チームづくりで)通じることが多くて、スタイルを継承しつつ、自分の色を出しながらチームづくりをしていけると思い、引き受けました」

 

 下平監督が考える「色」とはどういうものなのか。チームを率いて約1カ月。戦術の浸透度には手応えを感じているという。

「仕上がりは順調。自分が思い描いていた通りに仕上がっています。元々、大分の選手は組織的なサッカーをしていただけあって戦術アレルギーがない。言われたことに対して理解度が高い選手が多いです。僕はボールの保持率を高めて、攻守の切り替えの速いトランジションサッカーを理想に掲げています。ボールを失えば5秒以内に奪い返し、ゴールに近い位置でポゼッションが高くなれば、当然得点の機会は増えるし、失点も減ります。(イングランドのプレミアリーグの)マンチェスター・シティのような非常にスピーディーかつ攻撃的で、ゲーム展開の面白いサッカーをしたいです」

 

 では、理想のスタイルを実現するために、どういう手順を踏んでチームを構築したのだろうか。昨季まで3バックがベースだったが、今季は4-3-3を採用している。システムが高い水準で機能するために、動き、流れ、役割を選手たちに明確に落とし込んだという。

「最低限のことは伝えましたが、選手の吸収率は高かったという印象です。選手は戦術の概念を理解していたし、あまり多くのことを押し付けると体が動かなくなるので、言い過ぎないように気を付けました。頭で考えるのではなく、感覚で動けるのが理想です。システムはあくまでもシステムであり、選手が共通理解の上でプレーすることが重要です。ただ、こだわったのは攻撃の組み立てであるビルドアップの部分です。ここは片野坂前監督と原理原則の違いを感じたので、僕の考えを落とし込みました」

 

攻守の切り替えの速いトランジションサッカーを理想に掲げている

 

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