インターハイのあとvol.5 練習チャンピオンから本物のチャンピオンへ 奈須貴子(大分雄城台2年)

2018/09/03
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 奈須の才能が一気に開花したのは1年生の冬の鍛練期。筋力強化に重点を置き、肉体改造したことで瞬発力が向上した。スピードが上がったことで遠心力が増し、体の重心移動がブレず、最後の振り切りまでの流れがスムーズになった。飛躍的に距離が伸び、自己ベストを9m更新する。「1年でこれほど急成長する選手を初めて見た」と佐藤功治監督は驚きを隠せない。

 

 2年生になってからも順調に成長曲線を描き、初めて出場したインターハイ。これまでの奈須であれば力を発揮できずに終わっていたが、高校に入り、向上心の強い指導者や先輩、同級生がいる環境で「考え方が変わった。私より期待されている選手がいっぱいいたし、そんな選手に比べれば私なんてノープレッシャー。自分がこれまでやってきたことを全て出せばいいと思えるようになった」。予選から全国の実力者たちが記録を伸ばせずにいた。ダークホースの奈須は着実に結果を残し、自己ベストに及ばなかったが42m83で憧れの表彰台に立った。

 

 「今年は運が良かっただけ。来年は注目される立場になるし、プレッシャーも掛かると思う。でも、そこで結果を出し、“本物のチャンンピオン”になりたい」。年内に45mを投げ、高校最後の年に50mを投げる。とてつもなく大きな目標であるが、自信に満ちた笑顔を見ると決して可能性はゼロではないと思えた。

 

日本一を目指す戦いは始まっている

 

「インターハイのあと」連載記事はこちらから

Vol.1 ボクシング 安達魁渡(鶴崎工業高)

Vol.2 なぎなた 大分西高

Vol.3 ボクシング 河野泰斗(鶴崎工業高)

Vol.4 陸上 大谷夏稀(大分雄城台高)

Vol.5 陸上 奈須貴子(大分雄城台高)

Vol.6 カヌー 田中智貴(高田高)

Vol.7 フェンシング 御手洗拓真(大分豊府高)

 

(柚野真也)

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