コロナ禍の高校3年生たち④ 女子バレー 室岡莉乃(東九州龍谷) 高校最後の舞台で日本一連覇を狙う
2020/11/30
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新型コロナウイルスの感染拡大で次々と大会が中止となった2020年。県や、それぞれの競技独自の大会で練習の成果を発揮できた者もいれば、不完全燃焼のまま競技を辞めた者もいる。多くの高校3年生にとって想定外だった1年間を振り返り、今後はどのような道を歩むのか、「コロナ禍の高校3年生たち」と題してそれぞれのドラマをひもといた。
日本一連覇の挑戦が始まったー。今年1月の全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)で8年ぶりの優勝を決めた東九州龍谷高校(東龍)。直後のインタビューで、当時2年生ながらMVPに選出された室岡莉乃(3年)は「連覇を目指す」と宣言した。「チームとしても、自分のプレーにも満足することはない。自分たちの代で、もう一度日本一を目指したいと思った」と当時を振り返る。それは虚勢ではなく、あくなき向上心から湧き出た言葉だった。
日本一の余韻に浸ることなく新チームがスタートし、キャプテンとなった。竹内誠二監督は、「誰もが認めるエース。室岡以外にキャプテンは考えられない」と指名する。エースとキャプテンの負担を背負わせることで成長を促す狙いもあった。コロナ禍で体育館が使えず、練習できない日々は、寮での自主練習で体幹やスパイク時のフォーム見直しに時間を費やすとともに、入学間もない1年生と積極的にコミュニケーションを図り、日本一を目指すチームのあり方、心構えを押し付けることなく伝えた。「最終学年になり周りを見るようになった。僕が指示する前に言いたいことをみんなに伝えてくれる。素晴らしいリーダーになった」(竹内監督)。
春の高校バレーに向けてギアを入れ替える