グッドルーザー② 男子バスケ柳ケ浦 悔しさから踏み出す一歩
2019/11/04
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スポーツにおいて勝つために必要な要素は、ひたむきさであり、競技への純粋な愛や情熱であったりする。勝者はその思いが誰よりも強い。敗者は次の勝者になるために心血を注ぐ。今年も晴れ舞台を目指し、県予選を戦った高校生たち。全てを出し切り笑顔を見せる者。悔しさで表彰式では素直に喜べなかった者。ここでは、あと一歩及ばず全国に届かなかった「美しき敗者」を追った。
2年ぶりの全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)出場を目指す柳ケ浦は、別府溝部学園との準決勝で涙をのんだ。中村誠監督の試合後の第一声が全てを表していた。「くそー!」。悔しさを隠すことはなかった。抜きつ抜かれつの攻防は緩むことなく続き、最終クオーター(Q)半ばに2㍍のモンゴル人留学生ドゥルグーン(1年)が5つ目のファウルで退場。勝負どころで高さを失ったが強度の高い守備で地上戦に持ち込み、3点差まで追い詰めたが、あと一歩及ばず。勝者と敗者を分かつことが酷に思える熱戦だった。
前半は柳ケ浦ペースだった。別府溝部学園のキープレーヤー島袋琉希(2年)とフセイン(2年)に対し、仲間廉人(2年)とドゥルグーンをそれぞれ密着マークさせた。相手のスピードと高さを封じるまでには至らなかったが、互角の勝負に持ち込んだ。そうなれば残りの3人の優劣で決まる。柳ケ浦はキャプテンの松本克己や石川桂也ら3年生の活躍が光った。リバウンドやブロック、守備のフォローとチームの潤滑油として動き回り、攻撃力の高い別府溝部学園をロースコアの展開に持ち込むことに成功。前半を5点リードで折り返す。
石川桂也は気持ちのこもったプレーを見せた