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年男・年女インタビュー① 片野坂知宏監督(大分トリニータ)「J1での戦いは楽しみ」

年男・年女インタビュー① 片野坂知宏監督(大分トリニータ)「J1での戦いは楽しみ」

 2019年は亥年。そこで亥年生まれの年男・年女に新年の抱負などを語ってもらった。第1回は大分トリニータの片野坂知宏監督。2016年、当時J3で戦うチームを指揮し、翌年にはJ2に昇格、ついに今年はJ1の舞台へとたどり着いた。しかし、結果を残しているとはいえクラブの経営規模、自身初のJ1での監督など、つきまとう不安は拭えないでいる。今季の目標であるJ1残留を達成できるのか。指揮官の胸中を探った。

 

J1で戦える戦力が整った

 

Q:いよいよJ1での戦いが始まりますが、現在の心境は?

 大分トリニータを指揮して今季で4年目となります。多くの方の声援、支援のおかげでJ1を戦えることに感謝しています。目標とするJ1残留を自分たちの力でつかみ取れるように、トレーニングでしっかり積み上げたいと思っています。厳しいシーズンになるのは承知の上です。チーム一丸となってチャレンジしたいです。

 

Q:新加入選手を含め、今季の戦力について率直な感想は?

 僕が要求した選手をクラブがある程度そろえてくれた。昨季の主力選手も残ってくれました。クラブの規模、予算の中でJ1で戦える戦力を整えてくれました。各ポジションで競争できる。いい競争が生まれてチーム力につながると思います。

 

Q:J3から築き上げたものを、どのようにして選手に伝えていきますか?

 これまで大分でやってきたサッカーは、新加入の選手たちもある程度はイメージできていると思っています。今季はカテゴリーが上がるのでJ1で必要なレベルを求めたい。インテリジェンスのある選手、戦術理解の高い選手が多いので、選手の特徴を見極めながら、その特徴に応じて要求を伝えてチームをつくり上げたいと思います。

 

Q:チームが始動しましたが、この1週間は選手のどのようなところに注目しているのですか?

 選手がどんなふうに練習に取り組もうとしているのか、表情やコンディションを見ています。現時点ではコンディションはバラバラですが、オフはおのおのが自己管理の下で、しっかり体を動かして調整していたと感じます。今季は少し早くスタートしたので、まだ準備期間はある。開幕に向けていい準備ができればいいと思っています。

 

Q:片野坂体制4年目で初めてフィジカルコーチを加えましたが、その意図は?

 J1に上がり、やはりフィジカルの強化は欠かせない。佐藤淳フィジカルコーチとは、G大阪時代に一緒にアカデミーの指導を担当したこともあり面識があった。筋トレやリハビリを含めて選手へのアプローチに対して専門的なところが必要になるので、彼にはそのあたりを任せたい。初日の練習からウオーミングアップの時に新しいものを取り入れています。これからの練習で違いが出てくると思います。

 

Q:開幕戦までの強化プランがあれば教えてください。

 ある程度イメージはあリますが、選手がどんな状況になるか分からないので疲労度を見ながら慎重に進めたいです。トレーニングマッチは昨年と同じ5、6試合を組んでいますが、状況によって増やすこともあるかもしれない。そこは柔軟に対応したいです。

 

Q;組織戦術はどのくらいから落とし込むのですか?

 トレーニングマッチの前ぐらいからです。早い段階で選手に落とし込んでも、それが抜けてしまうといけない。タイミングや言うべきことは選手に合わせながら様子を見たいです。

 

Q:J1での初采配、どんな気持ちですか?

 まだ実感がありません。選手をどんなふうに組み合わせるとか、戦術を含めて、このメンバーに何が合うのか考えなければいけない。これまでの戦術以外にチャレンジしないといけないこともあるだろうしね。J1だからといって特別な感慨はない。これから始まるなという感じです。ただ、初日の練習は平日の午後にも関わらず多くの方が来てくれたのは期待の表れでもあり、責任を感じています。

初日の練習は笑顔で選手を迎えた

 

数年後に大分がタイトルを取れる準備をしたい

 

Q:選手には今季のチームづくりの方針のようなものは話したのですか?

 初日の練習前に新選手、新スタッフの紹介をして、少しだけど僕の考えとかを説明しましたが、特別なことは話していません。まずは自分のコンディションを上げるとともに新加入選手とコミュニケーションを取ることが開幕までの期間は大事になると言いました。そして、開幕が全てではない。34分の1であり、開幕戦に出場できない選手も、いい準備をすることが昨季のいい結果につながった。一体感を持っていこうと伝えました。

 

Q:オフの間は監督としてどんなことをインプットしたのですか?

 スペインに10日間、研修に行きました。リーガエスパニョーラ(スペインリーグ)でたくさん試合を見ることができて、リーグのレベルの高さを感じました。やはりテレビで見るのと実際に見るのでは全然違いました。攻撃的なリーグですが意外とコンタクトプレーが多いし、フィジカルが強かった。タフなゲームの中で、どれだけ技術を発揮することが大事なのか分かりました。そして、やはりメッシはすごかった。あのスピードであの技術、あの判断。世界最高峰、バロンドールを何回も取ったのが分かります。世界トップ基準に日本のサッカーが追いつくために何が必要か考えさせられました。世界のトップを知るということは重要で、刺激になりました。

 

Q:J1にはそのメッシ選手とチームメートだったイニエスタ選手(神戸)など世界基準の外国人選手がいます。数年前と比べレベルが上がったと感じますか?

 選手は、テレビで見たスペイン代表がJ1にいて、同じピッチで戦うことができるのを楽しみにしていると思う。学べるところがあるはず。J1はイニエスタだけではない。日本代表クラスがいるし、外国人もパワフルで技術があり、スピードもある中で戦わないといけない。厳しい戦いになると思います。

 

Q:大分から日本代表選手を輩出できれば盛り上がりますね。

 日本代表に選ばれる選手は出てきてほしいし、そういう選手を育てたい。そうすることで大分がたくさんの方に注目される。近いところでは東京オリンピック、2020カタールワールドカップがあります。J1でたくさん試合をして、アピールしたい。幸い、代表監督がよく知っている森保一さんだし、大分のサッカーを理解してくれています。

 

Q:今年48歳、年男。何か思うことはありますか?

 J1で監督ができることを幸せに思います。猪突猛進、(今季のスローガンの)勇猛果敢に目標に向かって突き進みます!

 

Q:今年1年で何を手にしたいですか?

 もちろんJ1残留。来年もJ1でやれることが一番。それが大分の歴史になり、次世代につながる。レベルを上げて、大分がタイトルを取れる準備ができるようにしたい。それは僕も望んでいることでもあるので。

選手にはチーム一丸で戦うことを説いた

 

年男・年女インタビュー

オナイウ阿道(大分トリニータ)

尾関潤(バサジィ大分・フットサル)

本多琢人(ヴェルスパ大分)

林一寿(大分三好ヴァイセアドラー)

亀井×山下×石崎(バサジィ大分)

 

(柚野真也)

 

大会結果