三越商事大分杯少年野球 渡町台スカイヤーズが優勝 打撃力が光る元気印軍団 【大分県】
野球
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第159回九州地区高校野球大会県予選
10月11日 別大興産スタジアム
決勝
文理大付 000 000 301|4
大 分 140 000 00×|5
5季ぶり9回目の優勝。それでも岩崎久則監督の表情に満足感はなかった。九州地区高校野球大会県予選の決勝、大分が日本文理大付属を5―4で下した。ともにノーシードから勝ち上がった両校の対戦は、序盤に5点を奪った大分が終盤の猛追を振り切った。来春の選抜高校野球大会(センバツ)につながる九州地区大会への出場権を手にしたが、岩崎監督の口から真っ先に出たのは「課題の多い試合だった」という言葉だった。
勝負を分けたのは2回の攻撃だ。初回に2死満塁から後藤辰梧(2年)の適時打で先制した大分は、続く2回に無死満塁の好機をつくった。打席には広瀬尊(同)。初球に仕掛けたスクイズは相手バッテリーに外されたが、4球目に再び敢行。三塁線に転がした打球で三走が生還すると、二走の岡下友哉(同)も一気に本塁を陥れた。鮮やかなツーランスクイズ。さらに4番でキャプテンの東田将宗(同)が左中間を破る適時二塁打を放ち、この回一挙4点を奪った。

岩崎監督の狙いは明確だった。先制した勢いを逃さず、打力だけに頼らず戦術で追加点を奪う。最初のスクイズが失敗しても、迷わず同じ作戦を選択した。「どうしても追加点が欲しかった。打たせるよりも戦術で点を取った方が流れはいい」。指揮官の決断に選手が応えた4得点が結果的に勝敗を分けた。
ただ、理想的な展開は長く続かなかった。3回以降は相手エースを攻略できず、追加点を奪えない。7回には連続四球をきっかけに3点を失い、9回にも1点を返された。5点のリードは最後にはわずか1点差。先発の1年生・藤近大志が5回まで試合をつくり、柴田湊(2年)、和田友希(同)とつないだ3投手の継投で辛くも逃げ切った。
岩崎監督が問題視したのは失点そのものよりも、その過程だった。「打たれるのは仕方ない。私が一番嫌うのは四球」。ストライクゾーンで勝負し、打たせて守る。それが大分の目指す野球だ。だが、終盤は四球から走者をため、守備のミスも失点につながった。勝負どころで普段通りのプレーができるか。県大会を制してなお克服すべき課題は残った。

収穫もある。先発に抜てきした藤近は、来年度も見据えてチームの柱に育てたい存在だ。ボールが上ずる場面はあったものの、5回まで役割を果たした。岩崎監督は「1年生でも2年生でも、柱になる投手は試合をつくらなければいけない」と期待を寄せる。控えにも出番を待つ選手がそろい、昨年より選手層は厚くなった。岩崎監督が慌てずに采配を振るえることも今のチームの強みである。
だが、県王者の肩書に安住するつもりはない。岩崎監督は「県の第1代表とはいっても、実力的には九州で一番下だと思っている」と言い切る。選手にも同じ言葉を伝え、さらなる努力を求める。5季ぶりの優勝は到達点ではなく、次の挑戦への出発点だ。序盤の5得点に見せた勝負強さと、終盤に露呈した未熟さ。その両方を知った大分が、九州の舞台でどこまで成長した姿を見せられるか。県大会の頂点に立ったからこそ真価が問われる戦いが始まる。 (柚野真也)
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