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春の高校バレー県予選 男子 ごまかしのない「本当の力」で大分工業が春高切符をつかむ 【大分県】

春の高校バレー県予選 男子 ごまかしのない「本当の力」で大分工業が春高切符をつかむ 【大分県】

第79回全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)大分県代表決定戦
11月1日 クラサス武道スポーツセンター
決勝
大分工3(25―22、25―18、18―25、25―22)1大分南

 1年前の悪夢を振り払うような力強い一撃だった。第4セット、エース今村望夢(3年)が後衛から跳び上がり、渾身(こんしん)のバックアタックをたたき込む。相手のブロックを恐れず、持ち味の高さとパワーで勝負する。その姿に、この1年間で大分工業が積み重ねてきたものが凝縮されていた。

 宿敵・大分南との決勝を3―1で制し、4年ぶり31回目の春の高校バレー出場を決めた。勝利を引き寄せたのは、特別な戦術でも奇策でもない。江崎裕之監督が追い求めてきた「本物のバレーボール」への回帰だった。

 立ち上がりは理想的だった。第1セット序盤、田北祥梧(3年)がネット際を狙う巧みなサーブで相手の守備を崩し、5連続得点。終盤に追いつかれたものの、今村を中心とした攻撃で振り切った。第2セットも序盤から主導権を握り、連取した。だが、第3セットで流れが一変する。大分南の高さを生かした攻撃に対応できず、スパイクも拾われ始めた。思い切り打ち切れず、つなぐだけの攻撃が増える。18―25でセットを落とした。

力強いスパイクを打ち続けた今村

 嫌な記憶がよみがえる。昨年の決勝も2セットを先取しながら、そこから3セットを奪われて逆転負けを喫した。今村も「あのときのことがよぎる場面はあった」と認める。しかし、江崎監督に動揺はなかった。むしろ苦境から選手たちがどう立て直すのか、期待を持って見つめていた。

 第4セットを前に、江崎監督は原点を説いた。「もう一回、本物のバレーボールをしよう」。レシーブでつなぎ、トスを上げ、スパイクを打つ。ブロックされても全員でカバーし、もう一度攻撃を組み立てる。2枚、3枚のブロックが待ち構えていても逃げずに打ち抜く。それが江崎監督の考える「本物」だ。相手に合わせて小手先のプレーに走るのではなく、磨き続けた基本を徹底する。勝負どころで試されたのは技術以上に自分たちの積み重ねを信じ抜く強さだった。

4年ぶりに春の高校バレーに出場する

 その教えを最も鮮明に体現したのが今村だった。「ごまかしのプレーはしたくなかった。今の自分の力で決められないなら、試合中にもう一段階成長すればいい」。相手に攻撃を読まれても安易にフェイントへ逃げない。高さとパワーという自らの武器を信じ、全力で打ち続けた。第4セットだけで4本のバックアタックを決め、接戦に終止符を打った。

 江崎監督は昨年の春の高校バレー開催期間中に選手たちを全国の舞台へ連れて行き、「来年は自分たちがここに立つ」と意識づけてきた。今のメンバーは春の高校バレーを経験したことはないが気負う必要はない。求めるのは普段通りのバレーを全国のコートで再現することだ。今村が掲げる目標は全国ベスト4以上。第3セットで露呈した甘さは、まだ克服すべき課題として残る。それでも苦しい場面で逃げずに勝ち切った経験は大きい。「本当の力」とは苦しいときほど基本を貫ける力だ。1年前は届かなかった勝利をつかんだ大分工業。ごまかしのないバレーボールで全国の強豪に挑む。 (柚野真也)


大会結果

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2024年度