2026全国高校野球大分大会 プロ注目の右腕・平田玲翔(大分商業3年) 甲子園の先にプロがある 【大分県】
野球
第108回全国高校野球選手権大分大会
7月15日 別大興産スタジアム
3回戦
明豊 220 201 0|7
雄城台 000 000 0|0(7回コールド)
第1シードの明豊が、夏を勝ち抜くための戦い方を示したー。大分雄城台との3回戦は、7―0の七回コールド勝ち。初回に2点を先制すると、二回には1死満塁から1番・宮元弾(はずむ、2年)が三塁線を破る2点適時打を放った。その後も毎回のように得点圏へ走者を進め、四回に2点、六回に1点を追加。投手陣は4人の継投で相手打線を封じ、ベスト8進出を決めた。
打線を勢いづけたのは、1番に入った宮元だった。3安打3打点。前の試合では思うような打撃ができなかったが、川崎絢平監督から「ボールの上をたたくイメージで」と助言を受け、スイングを修正した。DHでの出場だけに、求められる役割は明確だった。川崎監督は「(DHは)打つ専門なので打たなければ出る意味がないと話した。1番で勢いをつけてほしいという期待に応えてくれた」と評価した。初回に安打で出塁し、二回には試合の流れを決定づける一打。宮元のバットが序盤から明豊のリズムをつくった。

ただし、川崎監督は7得点という数字だけに満足してはいない。「もう一本出れば3点、4点と取れる場面が、1点、2点で終わっている」。走者を置きながら大量得点へ結びつけられなかった攻撃を爆発力の不足と捉えている。得点した後にさらに畳みかける一本を出せるか。勝ち上がるほど、その差は試合を左右する。
投手陣は先発の萩原甲真朗(3年)が4回を無失点。その後を変則左腕の内田海翔(ひろと、同)らがつないだ。萩原は立ち上がりに力みが見られたものの、直球を軸に要所を締めた。川崎監督は「本来はもっと安定している。自分の思ったところに真っすぐを投げ切れるかが鍵」と、さらなる修正を求めた。
4人を登板させた背景には、厳しい暑さと今後の日程がある。最後にマウンドへ上がった藤翔琉(とう・かける、同)には、早い段階で夏の公式戦を経験させる狙いがあった。精神的な強さと場慣れを買われる右腕は、今後、苦しい場面での救援が想定されている。先発だけに頼らず、複数の投手で試合を組み立てられることは明豊の大きな強みとなる。
攻撃でも送りバントを使い、確実に走者を進めた。川崎監督が掲げるのは「負けない野球」である。「派手な野球より、一つ一つ大事に戦う。負けたら終わりなので」。大勝の中にも夏の怖さを忘れない慎重さがにじんだ。主将の坂田庵(同)も「楽な試合は一つもない。目の前の試合をどれだけ丁寧に勝ち切れるかが大事」と言葉を重ねる。自身は途中出場が中心だが、試合の流れを見ながら役割を理解し、出番に備える。先発でなくても、キャプテンとしてチームを支える覚悟は変わらない。

今大会の明豊は、守備からリズムをつくるだけでなく、初回から得点できる試合が増えている。坂田は「守りと攻撃のバランスがいいチーム」と手応えを語る。昨年から試合に絡んだ野手が多く残り、経験値も高い。一戦ごとに雰囲気が良くなり、一球への集中力も増しているという。
それでも、川崎監督が求める修正力にはまだ届いていない。「1打席目の反省を2打席目で生かせず、同じ失敗をする選手もいる」。試合中に自ら考え、対応できるか。ここから相手の力が上がるほど、その能力が問われる。
坂田にとっては、これが初めてベンチで迎える最後の夏だ。昨年は大会直前にメンバーを外れた。「負けたら終わりという緊張感の中で野球ができることを幸せに感じる」。その思いを胸に全員で甲子園を目指す。
快勝の中に残った課題は、次に進むための材料でもある。堅実に守り、着実に得点を重ねる明豊。勝つたびに完成度を高めながら、夏の頂点へ歩みを進める。 (柚野真也)
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