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大分トリニータ 初陣検証 後半に見せた新たな可能性 【大分県】

大分トリニータ 初陣検証 後半に見せた新たな可能性 【大分県】

 大分トリニータは2026―27シーズンの開幕戦で湘南に0―1で敗れた。前半は相手の圧力をまともに受け、押し込まれる時間が続いた。何とか耐えていたが、43分にCKから失点。四方田修平監督が悔やんだのは、その時間帯をしのぎ切れなかったことだった。「プレッシャーをかけに行くのか、(自陣に)引いて守るのか。そのあたりが少し中途半端になった」

 攻撃でも狙いを十分に表現できなかった。中盤の底に位置するアンカーで先発した林田滉也によれば、湘南の4バックに対し、大分は5バックの立ち位置を生かしてサイドで優位性をつくろうとしていた。だが、相手の強いプレスによって思うように前進できない。ボールを持っても相手の守備網を動かすところまでには至らなかった。

 ただ、前半と後半では別のチームのようだった。0―1で迎えた後半、大分はリスクを負って前へ出た。守備の開始位置を上げ、中盤でボールを奪う回数が増えると試合の重心は徐々に湘南陣内へ移っていった。林田も配球に変化を加え、近くの選手を経由するだけでなく、一つ先へパスを届けることで相手の守備を揺さぶった。

攻守の要として躍動した林田

 さらに交代カードが流れを加速させた。清武弘嗣がリズムを変え、相沢デイビッドが前線にパワーを加える。そこに推進力のある選手も投入され、攻撃に異なる色が次々と加わった。後半だけで7本のシュート。宮川歩己、相沢にも決定機が訪れた。

 百年構想リーグとの違いは、ここにある。四方田監督は「特徴のはっきりした選手が増えてきた」と話す。試合展開に応じてベンチから異なる武器を送り込めるようになったことは、今季の大きな変化だ。ボール保持の安定感や意図を持った前進、守備で穴を空けずに圧力をかける部分にも四方田監督は進歩を感じている。

 それでもスコアは0―1だ。後半にどれだけ押し込んでも、ゴールを奪えなければ勝点には変わらない。四方田監督が挙げた「強度」と「迫力」。林田が指摘した「最後のクオリティ」。表現こそ違うが行き着く場所は同じだ。相手陣内まで運ぶことから、その先で仕留めることへ。今季の大分が越えなければならない壁が開幕戦ではっきりと見えた。

途中出場ながら存在感を発揮した相澤

 だからこそ、問われるのはここからだ。林田は「まず失点しないことがこのチームにとって大事」とした上で、後半の攻勢について「あれをどのタイミングから出していくのか」と話した。90分間ずっとアクセルを踏み続けることはできない。耐える時間をしのぎ、勝負どころでギアを上げ、得点まで持っていく。その試合運びを確立できれば後半に見せた勢いは一過性ではなくなる。

 「自分たちが成長することが、勝つための近道」。四方田監督の言葉に開幕戦の現在地が凝縮されている。敗戦の中に変化は見えた。しかし、変化を勝利へつなげて初めて進化と呼べる。次はアウェー仙台戦。林田の答えは簡潔だった。「やっぱり連敗しないこと」。開幕戦で見えた手応えを今度は勝点に変えられるか。新しいトリニータの真価が早くも問われる。 (柚野真也)


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