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トリニータ 勝負の2年目、長谷川雄志の期する思い

トリニータ 勝負の2年目、長谷川雄志の期する思い

 世界を襲ったコロナ禍で、Jリーグの公式戦延期が続いている。事態が収束に向かうまで自主練習を続ける長谷川雄志は、「早くサッカーがしたい」と再開を待ち望む。昨季はルーキーイヤーながらルヴァンカップで出場機会を重ね、5月のリーグ11節湘南戦で初先発初出場。着実に実戦経験を重ねた。プロ2年目の今季は「勝負の年」と位置づけ、強い気持ちを途切れさせることはない。

 

 結果が全てのプロ選手が試合をできずに気を張り詰め、コンディションをピークに保ち続けるのは困難だ。「試合がない、練習もできない状況では、正直なところモチベーションを保つのは難しい」と語った。それでも毎日、自宅の周りをランニングし、誰もいないスペースを見つけて一人でボールを蹴り続ける。「体が鈍らないように自分でメニューを考え、やれることをしている」と、画面越しに取材に応じる長谷川の表情にいつもの明るさはなかったが、来るべきときへの備えは怠っていない。

 

 今季のスタートは申し分なかった。ルヴァンカップとリーグ戦の開幕戦に出場した。「今季は全試合に出場することを目標としているので、2試合とも先発出場できたのは良かった」。実績のある佐藤和弘が新たに加わり、小林裕紀や島川俊郎らとポジションを争った中での先発出場に大きな手応えを感じたようだ。中盤の底からパスをさばき、ボールを回すだけでなく自分でキープし、メリハリをつけて試合を組み立てた。評価については「僕が何かをしたのではなく、単純にチームとして戦術が浸透し、パスが回せるようになっただけ」と謙遜したが、ボールを持った選手がパスを出しやすいように動き、ほしいタイミングで次のプレーがスムーズにできるような位置にパスを出す。昨年から師と仰ぐ小林から「味方を気持ちよくプレーさせるように」と言われたことを意識している。守備においては、ボールの動きに合わせてポジショニングを修正するなど、確実に昨季より成長している。

 

幸先の良いスタートを切ったが中断に阻まれる

 

 本人も今季2試合を終えて、成長を感じていた。「今年は心に余裕がある。試合中に見える景色が昨年とは全然違う。相手の動きや守備のときのポジショニングなど、このときはこう動くというのがパッと分かるようになった。1年間、監督のサッカーを経験したのは大きい」。今季は監督が求めていることに自分らしさを出したいと考えている。「スルーパス1本で得点に直結するプレー」をイメージしている。ペナルティーエリア内で勝負できる知念慶渡大生が加わり、パスの出し手としては使いやすくなった。「それぞれ得意なプレーがあるので、特徴を最大限に生かすことができれば、もっと攻撃的なサッカーができると思っている」と話す。

 

 プロとしてさまざまな経験を積んだ23歳は、自ら勝負の年と位置づけて不確定なシーズンに臨む。「どんな状況になってもベストを尽くす。チームが勝てるようなプレーを心がけたい。自分を信じて続けることが大事だと思っている」。掲げる目標の5得点10アシスト、チームを勝利に導くゲームメーカーとして、今季のさらなる飛躍を信じたい。

 

チームの勝利に貢献したいと話した長谷川雄志

 

 

(柚野真也)

 

大会結果