トリニータ キャンプレポート 成熟度、チーム力は昨季以上

2020/01/31
  • 大分トリニータ

 鹿児島キャンプ中の大分トリニータは、J2甲府と今季3試合目となる対外試合(45分×3本)を行い、3―0で勝利した。先制点は新加入の野村直輝がクロスを頭で合わせ、2点目は小塚和季が技ありループシュートを決め、3点目は伊佐耕平がクロスに詰めた。片野坂知宏監督は「戦術のコンセプトに選手が合わせ、状況に応じたプレーをしてくれた」とまずまずの手応えを口にした。

 

 今回のキャンプでは、11人の新加入選手が、これまで積み上げたチームの戦い方にうまく順応できるように、綿密にコミュニケーションを取ってチームの団結力を高めている。甲府との試合で、その一端をのぞかせた。自陣後方でしっかりパスをつなぎ、数的有利を生み出した瞬間にスイッチを入れ、攻撃のテンポを速める。無理だと判断すれば後方にボールを戻し、落ち着かせる。新加入選手は総じて前のめりになるが、昨季までの既存の選手たちがバランスを取り、「焦らず何度でもやり直せばいい」とパスにメッセージを込める。そんな意思疎通のパス交換が随所に見られ、攻撃の組み立ての成熟度は昨季より高い。

 

 その中で目立っていたのが新加入の渡大生。今季、広島から完全移籍で加入したストライカーは、鋭く果敢にゴール前に飛び出した。「今は模索中。いろんな感覚をすり合わせている。印象としてはセカンドストライカーとして抜け出す感覚」とイメージを膨らませている。戦術理解度が高く、片野坂監督が狙いとするプレーを体現できている。渡は「もっと周りの選手が特徴を出せるようにしたい」と、献身的に前線を動き、体を張って相手のボールを奪取するなど気持ちを前面に出したプレーを連発。そんな渡に触発されるように、チーム全体から戦う姿勢が感じられるようになった。

 

新加入の渡大生

 

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