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コンディショニング特集⑥ 食を制する者が試合を制す

コンディショニング特集⑥ 食を制する者が試合を制す

 夢と希望を抱き、新たな環境で競技を始める学生もいるだろう。環境の変化に伴い食生活は変化する。特に高校生の大半は、小・中学での給食が終わり、自分で栄養管理をしなければいけなくなる。身体のケアやコンディショニングを取り上げてきた特集の最後は、食事・栄養の取り方について公認スポーツ栄養士の銅城順子さんからアドバイスをもらった。これを実践すれば、グッとライバルに差がつけられるはず!

 

プロテインもいいが牛乳を!

 

 子どもの運動神経が著しく成長するゴールデンエイジの時期から高校年代に入ると機能の発達があります。競技が本格化し、トレーニングがハードになります。筋肉をつけていくのも、この時期からです。多くの選手は小・中学校の給食からお弁当になり、自分で食事管理をしなければなりません。

 これまで多くの学生スポーツ選手に食事指導をしてきましたが、たんぱく質を主成分とするプロテインの話は、皆さん関心が高いようです。ただ、筋肉がどこにつくかと考えたとき、骨がある程度しっかりしていないとつきにくい。たんぱく質よりカルシウムの摂取が重要となります。中学を卒業すると給食が終わり、牛乳を飲む機会が少なくなります。高校の自動販売機に行けばたくさんの種類の飲料水があるので、牛乳を選ばない学生が多いようです。高校生は成長のスパートです。身長を伸ばしたい、筋肉をつけたいのであれば、そのための努力が必要です。

 

ごはん最強説

 

 大切なことはバランスの良い食を取ること。バランスの良い食事とは、「主食(ごはん)」、「主菜(おかず)」、「副菜(野菜)」をそろえることです。これらがそろっていないと健康が維持できません。そして、割合ですが「主食:主菜:副菜=3:1:2」がベストです。最近気になるのは、ごはんをしっかり食べていない学生が多いこと。ごはんが一番のエネルギー源です。脳の唯一のエネルギーがブドウ糖であり、糖質を取らないと供給できません。栄養をアシストするビタミン、ミネラルもごはんから摂取できます。ごはんは太るイメージがあるようですが、糖質が足りないと体ができないし、疲労回復もできません。おかずや野菜にばかり目がいきがちですが、主食は米がいい。血糖の上がりが緩やかで、腹持ちもいい。砂糖も油も入っていない。和洋中なんでも合うごはんはオールマイティなのです。

 

生姜焼き定食は栄養バランス絶大メシ

補食のススメ

 

 3食で足りないときは補食を取り入れましょう。弁当と一緒におにぎりを持っていくのもいいですし、栄養補給ゼリーなどは手軽に栄養を取ることができます。「自分には何が足りて、何が足りていないのか」を差し引きできるようになりましょう。自己分析し、自分の持てる力を最大限に出す方法を考えるのも高校生です。調子がいい、悪いは自分にしか分かりません。練習量に見合う、栄養補給をしないといけません。

 また、練習が終わってからは、なるべく早く帰って食事を取りましょう。エネルギーが足りないと体は筋肉を削りながらエネルギーを補充しようとします。せっかく筋力トレーニングで筋肉をつけても意味がありません。練習が終って、30分から1時間以内に炭水化物などを食べると疲労回復が早くなります。帰宅まで時間がかかるなら、おにぎり1個でも体に入れると良いです。

 また、練習後というのは成長ホルモンが分泌されているので、そのタイミングでたんぱく質やカルシウムを取ると、骨や筋肉になりやすい。つまり、練習後に牛乳やヨーグルトなどの乳製品を食べることがオススメです。

 

コンビニ活用術

 

 部活の帰りにコンビニで何を買っていますか? お腹が空いているときは血糖値が下がっているので、血糖値を上げるもの、つまり炭水化物を取ればよいです。炭水化物が多いものといえば、おにぎり、サンドウィッチ、バナナなどがあります。レジ横にあるチキンや菓子パンはカロリーが高いですが、油や砂糖が多いものは気をつけましょう。

 ほとんどの食品にはカロリーやたんぱく質など数値が表示されています。選ぶのは自分。食欲だけで選ぶことのないように注意しましょう。何を選んで、どう組み合わせるのか。「自分の体が何を欲しているのか」という視点で栄養補給の組み合わせを考えましょう。

 サプリメントも同様です。成分が表示されているので、CMやメーカーで選ぶのではなく、自分に必要なものを選びましょう。自分で選び、食べたものが体になります。人があなたの口に入れてくれるわけではありません。自分で自分の食べ物を選ぶ選択能力、自己管理能力が問われるのです。

 

 公認スポーツ栄養士の銅城順子さん

 

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(柚野真也)