コンディショニング特集⑤ マネプロ普及に取り組むスポーツトレーナー
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「現場第一主義」を貫くトレーナーの牧芳恵さん。小学生から社会人、トップリーグでプレーする選手まで、年代、競技を問わずにサポートする。仕事は選手のリハビリのケアやフィジカル強化、一般の人のボディーメークなど多岐にわたる。最近は部活動のマネージャー向けに応急処置法講習会を開催し、トレーナー予備軍を増やしている。「結局は選手のためになる」。プレイヤーズファーストを貫く。
自分を知ることがスタート
Q:幅広く活動していますが、現在のトレーナーとしての仕事内容を教えてください。
県内高校のバスケットボール部の外部トレーナーとしてフィジカルトレーニングを担当することもあれば、ハンドボール部の試合や合宿に帯同することもあります。また、個別にけがをした選手のリハビリをしたり、復帰までのメニューを組み立てたりもします。最近は一般の方のパーソナルトレーナーとして体力づくりやボディーメークを指導することも多くなりました。競技も年齢も一人ひとり違う。要望を聞き取り、何が足りないかを指摘して、メニューを考え、正しく指導しています。
Q:これまで多くの部活動に外部トレーナーとして携わっていますが、何か感じたことはありますか?
熱量がさまざまですよね。強豪校でAチームに入るような選手はモチベーションも、競技に対する意識も高いですが、セカンド、サードチームの選手はまだまだ。何かきっかけがあれば意識は変わるのですが、そこの温度差を感じました。中学や高校の部活動は3年間と短い。その時間を有効にしてあげたいと思いました。
Q:外部トレーナーと契約して、専門的なトレーニングを取り入れる学校が徐々に増えていますよね?
まだまだ一部の強豪校だけです。競技によっても力の入れ具合が違います。ただ、高校年代の3年間は競技力が一気に伸びます。技術的、体力的に限界はあり、その後の進路をどう選ぶかによりますが、高校である程度の基盤をつくってその上のカテゴリーにつなげる必要があると思います。
Q:外部トレーナーとして心掛けていることは?
競技によって使う筋肉が違うし、男女ではメンタルも違う。そのチームのカラーを読み取り、誰が中心で、他の選手との人間関係はどうなっているのか。そこから始めます。メディカル部門だけでなく、選手の生活態度を指導することもあれば、悩みの相談を受けることもあります。一人ひとり体型も違えば性格も違う。しっかり向き合うことで選手のパフォーマンスを引き出すことができると思っています。
Q:選手に求めることは?
今の自分を知ること。何が足りなくて、何をプラスすべきなのか。自己評価と他人の評価を受け入れ、分析してからスタートすることが必要です。
県内の部活を外部トレーナーとして指導する牧芳恵さん