
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
県内の女子高校バスケットボールに旋風を巻き起こした大分。1年生チームながら強豪校に勝利し、一気にベスト4の壁を突き破った。2月3日に行われた全九州高校春季選手権大会県予選(全九春季予選)最終日では優勝こそ逃したが準優勝。彼女たちの快進撃はこれからも続きそうだ。「高校バスケそれぞれの現在地」の第3回目は、新興勢力の大分を取り上げる。
昨年4月の南九州四県対抗選手権県予選で、1年生8人のチームがいきなりベスト4入りを果たし、その名を知られる存在となった大分女子バスケットボール部。鮮烈なデビューから勢いそのままに、6月の県高校総体、11月の県高校新人大会でも3位になるなど、結果を残し続ける彼女たちが今大会でも活躍した。
全勝で迎えた決勝リーグ最終戦の相手は、県高校新人大会で敗れた中津北。64-70で惜敗した悔しさをぶつけた。中津北を相手に攻守ともに落ち着いたプレーで食らいつき、第3クオーターまで接戦に持ち込む。しかし、課題である体力差を埋め切れず、最終クオーターで突き放され67-83で試合を終えた。
中学から6年計画で強化を図る楠本哲二監督
中高一貫校の大分において、中学時代のメンバーと高校でも一緒にプレーできるメリットは大きい。抜群のチームワークと見事なパスワークからの正確なシュート、相手のミスを誘うディフェンスなど組織力は高く、“あうんの呼吸”でプレーできる。個々の能力も高く、中でも中学時代からエースとして活躍するのが秋吉楓(1年)だ。大会前まで体調不良者が多く、チームとしては万全ではない状態で臨んだが、決勝リーグの3試合は外角からのシュートが面白いほど決まり、得点を重ねチームを引っ張った。
楠本哲二監督は「競り合いで当たり負けする体の弱さが見えた。体づくりからもう一度見直したい」と、あと一歩届かなかった優勝に向けての課題を挙げた。しかし、中高一貫校ならではの“6年計画”を掲げる大分にとっては、多くの手応えを感じた大会でもあった。この大会の準優勝で九州大会に出場する。全ての大会が彼女たちにとって初めての体験となる。“自分たちはチャレンジャーである”という気持ちで挑み続けながら、多くの強豪校と対戦することで着実に経験値が上がっていることは間違いない。選手の意識は高く、これから多くの試合や大会を通して彼女たちはますます成長し、さらに磨きのかかったプレーを見せてくれることだろう。
チームの得点源となる秋吉楓
高校バスケそれぞれの現在地
(黒木ゆか)
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