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大分トリニータ 吉田真那斗 オールスター選出 国立へ飛び立つ 【大分県】

大分トリニータ 吉田真那斗 オールスター選出 国立へ飛び立つ 【大分県】

 人見知りだと言いながら、吉田真那斗の言葉はどこか弾んでいた。6月に開催されるJリーグオールスターへの選出。「非常に光栄なこと。いろんな選手がいるので楽しみ」と語る表情には、照れと高揚が入り交じる。大分トリニータからは吉田のほかキム・ヒョンウ、清武弘嗣が選出された。

 今季、吉田は横浜F・マリノスから完全移籍で大分に加わり、クラブの“顔”とも言える背番号7を背負った。しかし、シーズン序盤は思うようなスタートではなかった。けがで出遅れ、復帰は4節・熊本戦。その試合でいきなりアシストを記録し、11節・滋賀戦では今季初ゴールを決めた。それでも本人は満足していない。「物足りない。フィジカルはレベルアップしている感覚がある。でも、結果も内容もまだまだ」。その言葉に、現在地を冷静に見つめる芯の強さがにじむ。

 吉田の武器は、豊富な運動量と推進力、そして見る者を驚かせる跳躍力だ。スピードを生かした縦突破で局面を打開し、攻守両面で存在感を放つ。特に空中戦では規格外の高さを見せる。本人も「そこは他の選手にない部分」と自覚している。

規格外の跳躍力を武器とする吉田

 身体能力に目覚めたのは高校2年の頃だったという。それまでは「特別足が速かったわけでも、ジャンプ力もそんなになかった」と振り返るが、周囲から「お前すごくない?」と言われ始め、自分の武器を意識するようになった。その象徴的な場面が昨季の札幌戦だ。ゴール前のクロスに飛び込むと、相手GK菅野孝憲の頭上からヘディング。得点にはならなかったが、その瞬間を切り取った写真は大きな話題となった。空中で静止したかのような姿は、ゴールポストとほぼ同じ高さにまで達していた。「俺、こんな飛べるんだって」。自分自身も驚いたという一枚には、吉田の身体能力が凝縮されていた。

 けがの時間も無駄にはしなかった。下半身を鍛え直し、体のバランスを整えたことで、スピードやジャンプの出力につながっている。悔しさを成長に変える作業を、淡々と積み重ねてきた。

 オールスターでは、香川真司(C大阪)ら名のある選手との対戦にも胸を躍らせる。「同じピッチに立てたら面白そう」。国立競技場でのプレーも初めてだという。「どんな雰囲気なんだろう」と少年のように語る一方で、「選ばれた一員として恥じないプレーをしたい」と表情を引き締める。

オールスターへの意気込みを語った

 リーグ戦残り2試合に向けては、数字へのこだわりと同時に、観客の心を動かすプレーを求めている。「見ている人に面白いと思ってもらえるプレーをしたい。また見に来たいと思ってもらえるように」。そのサッカー観は、単なる結果主義にとどまらない。勝利に直結するプレーでありながら、スタンドを沸かせる一瞬を追い求める。

 最後にファンへのメッセージを求めると、吉田は少し笑って言った。「飛びます。J1の選手より飛びます」。照れ屋で、人見知りで、けれどピッチに立てば誰よりも高く舞う。国立の空に背番号7がどこまで跳ぶのか。その一瞬を、見逃すわけにはいかない。


(柚野真也)

大会結果