県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
九州地区高校野球大会直前特集① “ど根性野球”で勝負強さが増した大分舞鶴
各県の上位チームと選抜高校野球大会出場チームが出場する「第148回九州地区高校野球大会」が、24日から県内で開かれる。県勢は明豊、大分舞鶴、柳ケ浦、藤蔭、津久見の5校が頂点を目指す。ここでは選抜高校野球大会準優勝の明豊を除く4校を紹介する。第1回は大分舞鶴。
*明豊の紹介は準優勝特集から見ることができます。
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明豊高校センバツ準優勝特集② 不完全燃焼の投手3本柱 リベンジの夏に燃える
明豊高校センバツ準優勝特集③ 幸修也主将 大舞台で味わった悔しさを成長の糧に
九州地区高校野球大会県予選で61季ぶりの優勝を飾った大分舞鶴。新チーム発足当初は“打ち勝つ野球”をチームスタイルに掲げていたが、ひと冬を越えて投手陣が急成長を遂げる。県予選では、制球力に難のあった奥本翼(2年)、吉田光太朗(3年)の両投手が安定した投球で試合をつくった。「投手陣だけではなく、みんながきつく、苦しい練習に耐え、一回りも二回りも成長した」と河室聖司監督。練習内容は至ってシンプル。走攻守の3つの基本を徹底し、毎日練習着が泥だらけ、汗だらけになるまで練習した。「千本ノックなど昭和の“ど根性野球”を楽しめた」とキャプテンの衛藤晃太(同)は笑う。
“ど根性”は思わぬ副産物をチームに届けた。「ガムシャラに練習したからか、勝利への執念がついた」(河室監督)。県予選では準々決勝から勝負強さを発揮し、僅差の勝利で勝ち上がった。広角に打ち分けることがきる仲崚真(同)、長打を打てる小倉直樹(同)の中軸の得点圏打率は高く、河室監督が「今大会の収穫」と目を細めた奥本、吉田が「計算できる投手に成長した」。
冬を越えて大きく成長した吉田光太朗
決勝ではタイブレークの末に勝利したが、準備も万全だった。「準決勝を終えて、決勝は接戦になることを想定していた。タイブレークの練習も徹底できていた」と衛藤。逃げ切る展開、追う展開とあらゆる状況を想定していたから、土壇場で追いつかれても焦ることはなかった。「楽しんだ方が勝つ」と、ベンチからはポジティブな掛け声、指示が飛び、チームが盛り上がった。61季ぶり4度目の優勝で大きな自信を手にした選手たちは、九州地区高校野球大会に向けて心身ともに充実している。
「夏の大会を制して初めての県王者。自分たちはチャレンジャー。九州大会で優勝を目指すなんて言えるチームではない。“ど根性野球”で、一つ一つの試合に目を向けて戦うだけ」(衛藤)。勝っておごらず負けて腐らず。夏に向けて、九州での戦いも飛躍のチャンスと捉えている。
チーム一丸となって優勝した大分舞鶴
(柚野真也)