
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
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高校サッカーで最も注目が集まる「全国高校サッカー選手権大会」の県予選が10月24日に幕を開ける。憧れの舞台を目指し、39校の精鋭たちが県代表の座をかけて戦う。今大会は本命不在、混戦が予想される。その中で2月の県高校新人大会、7月の県高校総体で結果を残し、シード権を獲得した4校に注目。1カ月後のラストバトルに向け、現状を分析した。
県新人大会の王者として臨んだ県高校総体で、大分西はあっさり初戦で敗れた。決して慢心があったわけではないが、戦闘モードではなかった。九州新人大会で強豪校と対戦し、全国で勝つことを目標としてきたチームにとって、全国につながらない大会は味気ないものに思えたのかもしれない。キャプテンの上野翔真(3年)は「言い訳はできないが気持ちが入っていなかった。県総体でふがいない試合をしたので優勝しか考えていない」と、全国高校選手権大会への出場に向けて強い思いを示す。
3年生は中学3年時に、同校が初めて全国高校選手権大会に出場した試合を見て、進路を決めた部員が多い。上野もその一人だ。「憧れから目標になった」。入学してから2度の挑戦は、県予選の決勝戦にさえたどり着けなかった。今大会は3年生にとって残された最後のチャンス。県高校総体後は西高スタイルであるパスサッカーの精度を高めるとともに、勝負にこだわる。首藤啓文監督の言葉を借りると「アウトプットする瞬発力」を手にした。試合の流れが悪いときはしのぎ、勝負どころでは一気にゴールを狙う。勝負の機微を感じ取り、瞬時に力を放出する力が備わった。
チームに安定感をもたらす上野翔真
これまでの大分西は、自分たちのスタイルを貫くことに重きを置いていたが、今年のチームは相手の長所を消し、そのうえで自分たちの良さを出すことを考え抜いた。選手だけでなくポジションも入れ替え、フォーメーションも変更し、試行錯誤した上でこのスタイルをつくり上げた。その結果、対戦相手によって戦術を変え、時にはフォーメーションを変えることもある。上野は「昨年のチームより個人の能力が弱い分、コンビネーションを高め、チーム力で戦えるようになった」と手応えを口にする。
第3シードとして2回戦から登場し、順当に勝ちあがれば準々決勝で県高校総体で敗れた中津東と対戦する。「夏の借りを返せる。しっかり後ろからコントロールして、勝ち切りたい」と上野は再戦を楽しみにしている。首藤監督は「この大会は3年生が引っ張るチームが勝つ。普段はおとなしいが最後は3年生がやってくれると思う。今年はどこからでも崩せ、誰もがゴールを決めることができる」と自信を持ってピッチに送り出すつもりだ。
仕上がり順調、目指すは優勝
(柚野真也)
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