ピークは決勝の舞台で 柳ケ浦・上間永遠

2018/07/17
  • 高校野球

第100回全国高校野球選手権記念大分大会

7月14日 第1試合 2回戦 別大興産スタジアム

大分東 000 010 0|1

柳ケ浦 002 304 ×|9(7回コールド)

  

 シード校が苦戦する中、投打がかみ合い快勝したのが柳ケ浦だった。定岡智秋監督は「全体的に(緊張で)硬く、バットの振りがもう一つだった。ピッチャーもまだまだ。得点してからリラックスできた」と振り返ったが、本調子でないにも関わらず7回コールドで勝利するのは地力がある証拠だ。

 

 この先の長い戦いを見越し、徐々にペースを上げていたのがエースの上間永遠(3年)だった。沖縄出身の上間は、「性格がのんびりしているので追い込まれないと力を発揮しない。もっとビシバシ投げてほしかった」と定岡監督が話したように、得意のスライダーにキレはなく、ストレートも球速140㌔を超えたのは数球だった。

 

 初回から無失点で抑えてはいたが、どこか試合に入りきれていない印象だった。しかし、6回の1死一、三塁のピンチの場面で「ギアが上がった」と上間自身が話したように、相手の5、6番打者を三振に仕留め、この試合の最大のピンチを切り抜けた。「今日は浮いた球が多く(100点満点中)60点の出来」と自己採点したが、余力を残しての投球にこの投手のポテンシャルの高さが伺えた。

 

 「決勝まであと4試合。徐々にピークが上がればいい。もっと暑くなれば、もっといいピッチングができる。沖縄の暑さはこんなものではない」と、気温の上昇とともに上間の調子も上がってくるだろう。投手二枚看板のもう1人・中園大樹(3年)は7回に登板し、上間とは対照的に最初から球速140㌔超えのストレートを投げ好調をアピールした。「先発にこだわることもないし、2人で投げて優勝できればいい」と“共投”宣言したのんびり屋のエースは、チームの勝利を第一に考えている。

 

 この日、後輩の応援のためスタンドに駆けつけた昨夏のエース田中瑛斗(日本ハム)は、上間の投球について、「悪いなりに1点で抑えたので良かった。あいつの本気はこんなものじゃない。打線が点を取ってくれるし、決勝まで第1試合で投げられるので(自分の)リズムをつかめたら崩れることはないと思う」と太鼓判を押す。本気のエースの力を見たい。

 

本調子ではなかったが6回を1失点に抑えた上間永遠

 

(柚野真也)

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