
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
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昨年末の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場した男子の別府溝部学園、女子の中津北も3年生が引退した。これで内全ての高校が代替わりし、新たな王者を決める全九州高校春季選手権大会県予選(全九春季予選)が開催された。ウインターカップ出場校の現在地とともに、優勝校、注目校を紹介する。第1回は貫禄勝ちで女王の座を守った中津北をレポートする。
昨年の全国高校選手権(インターハイ)県予選で、3年ぶりに優勝の座を明け渡す“悔しさ”を味わった中津北。しかし、その後のウインターカップ県予選と県高校新人大会の両大会で優勝。強さを取り戻し、女王の座を再び確かなものにした。全九春季予選でも「やはり中津北は強い」。そう納得させられる試合内容で順当に勝ち上がり、見事に優勝を手にした。
今大会の決勝リーグでは、創部1年目ながら県内の高校バスケットボールの勢力図を塗り変えている大分と全勝同士で対戦した。シーソーゲームが続き、第3クォーター(Q)終了時の得点差はわずか5点。緊迫した試合が続く中、中津北ベンチは冷静だった。「それでいい!」「ナイスプレー!」と大津留礎監督は何度もコート上の選手に檄(げき)を飛ばす。選手たちもそれを受け止め、最後まで足を止めることなくコートを走り回り、丁寧な試合運びを展開した。第4Qでは11点差をつけ、最終的に83―67と引き離し、強さを見せつけた。
新チームとして始動して間もない中津北
ウインターカップを終えて1カ月余りということもあり、まだ新チームのスタイルが確立しておらず、未完成な部分も多かった。厳しい大会になることを想定していたという大津留監督だが、「全員の負けたくないという思いが強く出た。その強い気持ちが勝利につながった」と選手たちの前向きな姿勢を称えた。まだチームとして機能していない部分も多かったというが、試合を重ねるごとにできることが増え、それぞれが大会を通して成長できたようだ。エースの木村美月(2年)は、試合1週間前にけがをして出場が心配されたが、得点源としてチームの勝利に貢献した。
丁寧な試合運びに見えた今大会のスタイルについて、大津留監督は「攻める力を持っているのに守りに入ってしまって、思い切りが悪いプレーも多かった。もっと中津北らしい“攻めるスタイル”を確立したい。まだまだ足は動くはず」と選手たちの実力に期待を込めながら、今後のチームづくりの目標を語った。
エースとしての責務を果たした木村美月
ウインターカップを経験し、成長が期待される工藤佑美
(黒木ゆか)
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