県高校新人サッカー大会 決勝は大分と大分工業が対決
- 新人大会
狙いが明確、迷いなき大分工業
大分工業 5-0 柳ケ浦
前半1-0
後半4-0
昨年決勝で敗れた相手に5得点し、完封勝利。「チームの特徴がかみ合った。5-0は出来過ぎ」と語る友成義朗監督に笑みがこぼれた。引退した3年生に比べ、個々の技術が劣る。チーム力も低下したことは否めないが、「できることが少ないから、やることを単純にした」
技量を運動量と組織力で補い、最少失点で抑える。互いに抜かれてもカバーしようと共有しているからほころびが少ない。攻撃はおぼつかないがショートパスで相手を食いつかせ、一気にサイドに展開してスピードのある三重野千尋(2年)が豪快に突破し、キャプテンの高野康巳(2年)に託す。狙いが明確だから選手に迷いはない。
前半11分の先制点はオウンゴールだったが、三重野の低い弾道のクロスがゴールを呼び込んだ。追加点を奪うまでに時間はかかったが、後半2分に攻守のつなぎとなる明石龍弥(2年)が得点。その6分後に高野が3点目を決めると、攻守の入れ替わりが激しい大味な試合展開となった。
ただ、集中力を切らさず無失点に抑えたことは成長の証。高野は「最後まで自分たちがやることに集中できた」と勝因を口にした。インフルエンザの影響で準々決勝からの出場となった三重野は、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのごとく、最後までエンジン全開。4点目はライン際をドリブルで突破して中に切れ込み、角度のないところからシュートを打ち込む。5点目も同じような形から最後は味方にパスを出し、アシスト。この日3得点に絡む活躍でチームをけん引した。
昨年はどの大会でも優勝校に名が挙がりながらタイトルを取ることができなかった大分工業。新チームの前評判は決して高くなかったが、決勝まで勝ち上がったのは運だけではない。「(昨年の)先輩たちに比べ実力がないが、今のチームは、みんなが頑張れるチーム」と高野。決勝戦は“勝ったチームが強い”ことを証明するチャンスだ。
3得点に絡んだ三重野千尋
(柚野真也)