第100回全国高校野球選手権記念大分大会

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熱戦が繰り広げられた夏の甲子園の県予選で

強烈なインパクトを放った選手たちを紹介する。

全力投球で王者・明豊を封じた右腕

中園大樹（柳ケ浦高校３年）

170cm、72kg、筑紫丘中学校（福岡）出身

　柳ケ浦が誇る二枚看板として、今大会４試合マウンドに上がった中園大樹は、闘志あふれるピッチングを披露した。

　身長170cmは投手として決して恵まれた体ではない。それでも小さなエンジンをフル稼働するために、運動学を学び、投球フォームを見直し、“直球”を磨いた。「速いボールでバッターを封じたい」。これこそが中園の投手としての真骨頂だ。最速143㌔の直球を武器に、ピンチになれば三振を狙う。今大会ではあふれる自信がマウンドの随所に見て取れた。

　真面目さゆえにオーバーワークで肘を疲労骨折し手術することもあったが、最後の夏にカムバック。復帰してからも代名詞の“全力投球”は変わらなかった。直球で押す気迫の投球で打者に立ち向かう。準決勝の明豊戦は圧巻だった。初回からフルスロットルで直球を投げ込み、優勝候補筆頭の明豊打線を力で押さえ込んだ。６回を投げ被安打３、定岡智秋監督は試合後に「中園が踏ん張ってくれたおかげ」と勝利の殊勲者として名を挙げた。

　決勝戦でも先発のマウンドに上がり、先頭打者を三振に仕留める上々の立ち上がりでスタートした。「ウチは信頼できるピッチャーが２人いる。試合前から４回までを中園、５回以降を上間と決めていた」と定岡監督のゲームプランの通り、約束の４回を無失点で抑え、もう一人のエース上間永遠（３年）に託した。５回以降はベンチで勝利を祈ったが、願いは届かなかった。勝負の世界に「たら・れば」は禁物だが、もしも中園が５回以降も長く投げていたら…。