県高校総体前特集 バスケットボール女子(2)大分 勝利の記憶と敗戦の傷、重ねて強くなる 【大分県】
2025/04/21
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とはいえ、このチームには確かな地力がある。緒方と並ぶ2本柱の一人、小村梓は2年生ながら平均20点以上を稼ぎ出すスコアラー。決勝では疲労も重なり本来のパフォーマンスを発揮できなかった。それでも、下級生が存在感を放っていることは、チームにとって大きな希望だ。さらに、春に加入した1年生たちの存在も見逃せない。「4、5人は即戦力として使える選手が入ってきた」と井場田監督は語る。緒方も「人数が増えたことでチーム内にライバル意識が芽生え、成長への意欲が高まっている」と感じている。人数が増えた分、まとめ役としての苦労はあるが、それ以上に競争と刺激が生まれているのは確かだ。
スタイルとしては、昨年のチームに比べてスタミナと高さが大きな武器になっている。170cmを超える選手が複数名おり、高さと平面で勝負できることが強み。県総体では、今大会で出せなかったオールコートプレスやアグレッシブなディフェンスも再び武器として復活する予定だ。
緒方は「もっと周りを見て、ドライブの後にパスを出せるようになりたい」と自己課題を挙げる。「全タイトル制覇」という目標を掲げる緒方にとって、今回の敗戦は大きな学びとなったはずだ。井場田監督の「今回の負けを糧に、もう一度ゼロからやり直す」の言葉通り、新たなスタートを切ろうとしている。修正点は明確で、ポテンシャルは十分。今度こそ、本当の大分の姿を見せるはずだ。
第2の得点源として期待のかかる小村梓
(柚野真也)