大分南高校 見えない力を備え、春の高校バレー初出場を目指す

2018/11/02
  • 冬の全国大会

バレーボール男子 春の高校バレー県予選(3)

 

 全日本高校選手権大会(春の高校バレー)の男子県予選特集の最後は、全国高校総体(インターハイ)に続き、春の高校バレーの初出場を目指す大分南。柿原茂徳監督が赴任して4年目。着実に力を付け、新興勢力から強豪校へと生まれ変わろうとしている。

 

 挑戦者から“追われる立場”となった大分南。今夏の全国高校総体(インターハイ)に出場し、「目的は出場することではなく、全国で勝つチームになった」と柿原監督。別府鶴見丘から大分南に赴任して4年目、ここでも前校の時のように「見えない力を積み上げたい」と話す。

 

 柿原監督が語る“見えない力”とは、状況をよく見極め、相手の心理を読み、勝負の流れを引き寄せる無形の力である。集積したデータを分析し、これに観察力と洞察力を加える。例え高さがなくても、スパイクのコースを限定することやワンタッチブロックで威力を抑え、レシーブを拾い続けることで勝機を見出す。強いチームと試合をする際、ユニフォームやアップの様子を見て、戦う前から萎縮してしまうこともあるが、「勝てる雰囲気を生み出し、チーム全体に自信を身に付けさせたい」と語る。

 

 チームの核は、キャプテンの麻生健太朗と後藤太陽の3年生。柿原監督は「彼ら3年生が下の学年に何を残すのか。それが伝統になる」とプレーだけでなく試合時の振る舞いにも期待を寄せる。下級生には中学時代にJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会で県選抜となった選手が多く、誰が試合に出ても戦力は変わらないほど選手層は厚い。選手選考の紅白戦はレベルが高く、「自分で学んで得たものしか力にならない」(柿原監督)と実践練習の場として腕を磨く。インターハイ出場以降も個々のレベルアップとともにトータルディフェンスに磨きをかけた。

 

 順当に勝ち進めば、準決勝で大分工業、決勝で別府鶴見丘と対戦することになりそうだ。奇策を使い、意表を突く戦術を駆使して心理的に相手を揺さぶることも考えているようだ。後藤は「全国でもう一度戦いたい。インターハイに出てからプレーに余裕が生まれ、アイデアが多くなった。楽しみだが謙虚さも忘れずに戦いたい」と釘を刺すことも忘れなかったが、先の言葉は掛け値なしの本音だろう。6月の県高校総体で見せた粘りのバレーボールで、2冠を狙う。

 

トータルディフェンスで初優勝を狙う

 

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