敗者の涙 バスケットボール男子 柳ケ浦のラストミーティング 挑戦は終わりではない【大分県】

2024/12/27
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  • 冬の全国大会

 ベノイットの努力と情熱は、周囲を驚かせ続けてきた。昨年のウインターカップ県予選で敗退した翌日、ベノイットは休む間もなく練習に参加。ベンチ外の選手たちと共に基礎トレーニングから全メニューをこなした。その姿勢に誰もが心を打たれた。「このチームで日本一になりたい。もう負けたくない」という決意は、言葉以上に行動で示されていた。

 

 中村監督がベノイットをキャプテンに任命した理由も、そこにある。柳ケ浦で初の留学生キャプテンという異例の抜擢にもかかわらず、チームメイトや保護者たちからの反対は一切なかった。日本語を積極的に学び、文化に溶け込み、仲間たちと深い絆を築こうとするベノイットの人柄を、誰もが認めていたからだ。

 

 最後の大会で、ベノイットが完全な形で戦えなかったことは何とも悔やまれる。しかし、この敗北は決して無駄にはならない。3年生はこれで高校バスケを終えるが、そのほとんどが大学でも競技を続ける予定だ。山根も「これを糧に、次のステージで成長したい」と前を向く。

 敗北の涙は確かに悔しさを映し出していたが、それ以上に未来への希望が込められていた。彼らの挑戦は、ここで終わりではない。全国の舞台で味わったこの経験は、次のステージで輝く糧となるはずだ。

 

柳ケ浦初の留学生キャプテンとなったベノイット

 

 

(柚野真也)

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