敗者の涙 春の高校バレー県予選 大分工業 監督と選手の絆 【大分県】
2024/11/15
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今年の大分工業は努力と絆のチームだった。ライバルである大分南には高さ、パワーともに及ばない。それならばと守備力を鍛え、どんな場面でもボールを拾い、つなぐ粘り強さを手に入れた。地道に積み重ねた努力が実ったのは6月の県高校総体。下馬評を覆し、大分南にフルセットの末に粘り勝ち。全国高校総体では勝つことこそできなかったが、磨き上げた守備力で会場を沸かせ、確かな爪痕を残した。
全国高校総体後はミーティングを密にし、思いを共有。春の高校バレー出場を目指し、ひたむきに練習に取り組んできた。江崎裕之監督は「みんな真面目で一生懸命。私生活に口を出すことはほとんどない。特に3年生はバレーを通じて大きく成長した。どんな試合を見せてくれるかワクワクしている」と選手たちに大きな信頼を寄せていた。
大分南との対戦となった春高バレー県予選決勝は、「笑顔で終わろう」と誓い、気持ちを一つにして臨んだ。内容は決して悪いものではなかった。リードする場面も多く、打ち込まれても拾い、つなぐ姿に会場が何度も沸いた。エースの藤野功季(3年)はもちろん、和間志苑(2年)や今村望夢(1年)も躍動し、攻撃力の高さも見せつけた。
しかし、要所で気持ちの弱さが出た。「このメンバーで勝ちたい」「監督を全国に連れていきたい」。そんな思いがプレッシャーとなり、ミスが続いた。キャプテンの遠島飛童(3年)が「バレーを楽しもう。今までやってきたことが間違いなかったと証明しよう」と声をかけたが、雰囲気を盛り返すことができないまま、3-0のストレート負けを喫した。
守備力を鍛え武器とした大分工業