敗者の涙④ 春の高校バレー男子県予選 大分工業 栄光を寸前で取り逃した3年生の思い受け継ぐ

2020/11/18
  • 冬の全国大会

 ポイントとなった局面を見ていくと大分南が勝っていた。一瞬のプレースピードやブロック、レシーブの反応など、それ自体は紙一重だったが、ワンプレーではわずかの差であっても、これまでの積み重ねが勝負を分ける。決勝ではブロックで奮闘し、加嶋との息の合ったコンビネーションでポイントを奪った三代竜也(3年)は、その差を痛感した一人だった。「自分の3年間は本当に仲間に支えられ、ここまで強くなった。最後まで仲間を信じて、自分のプレーをしたけど、日々の練習で集中してやっていれば結果も違ったと思う」

 

 負けた試合は取り戻せない。そう思えばこそ悔しさが込み上げ、涙も出る。実力を発揮できなかったことや相手が上だったと認めなければいけない現実。怒りや落胆、失望、あらゆる負の向かい風に襲われる。加嶋は「3年生はこれで終わった。1、2年生はこの悔しさを忘れずに絶対に来年リベンジしてほしい。俺らも絶対に応援に行く、練習へも行く」と後輩に思いを託した。

 

 江崎監督はこんな言葉を残して会場を後にした。「悔しい思いよりも勝って喜ぶことを学ばせたいからやっているんだ。勝って泣け、勝って泣こう」

 

最後までチームを引っ張った加嶋祐汰

 

 

(柚野真也)

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