ウインターカップ バスケ男子県予選 強い気持ちと巧みな守備で柳ケ浦が3年ぶりの優勝

2020/10/28
  • 冬の全国大会

 ドゥルグーンにとって、この2年間はプレッシャーとの戦いだったという。日本語を学びに来たバスケットボール経験がある大きな少年は、スポーツ留学してきた留学生とは来日の目的が異なる。それでも周囲はスポーツ留学生と同じような活躍を期待する。自分より大きな留学生を相手に思うようなプレーができず、入学当初は感情を抑えきれず自分を見失うこともあった。「バスケを辞めたい」と懇願したのは一度や二度ではない。今大会が始まる2日前の夜には、中村監督に「試合に出たくない、逃げたい」と大泣きした。中村監督は「プレッシャーはみんなある。お前が頑張っている姿をチームメートは見ている。頑張り過ぎないくらいに頑張れ」と諭した。その言葉がどれだけ通じたかは定かではないが、ドゥルグーンが自信を持ってプレーしていたことは確かだった。

 

 試合は互いに強度の高い守備でロースコアとなったが、柳ケ浦は相手の長所を巧みに消し、仲間廉人(3年)が試合をコントロールする。第4クオーター(Q)の残り5分で逆転してからは、仲間がギアを上げるとチーム全体の勢いが増し、一気に逃げ切った。勝因を挙げるなら、ち密な守備システムを落とし込んだことに加え、「目の前の相手に対し負けないという強い気持ちだった」(中村監督)。

 大分舞鶴との決勝戦は、大一番を制した勢いそのままに第1Qで大差をつけると、隙を与えずに畳み掛ける。仲間は「どんな試合でも気を緩めず、焦らず、勝つことだけを考えた」と冷静に試合を進め、3年ぶり3度目の優勝を成し遂げた。仲間は「これまでの努力が報われた」と胸を張り、ドゥルグーンは「バスケが楽しい。全国大会では自分の力を見せたい」と満面の笑顔と流ちょうな日本語で話した。

 

攻守でチームの勝利に貢献したドゥルグーン

 

 

(柚野真也)

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