トリニータ 待望される切り札 難局を打破するジョーカーは誰だ!?

2018/09/12
  • 大分トリニータ

 熊本戦では、これまで先発出場が少なかった清本拓己をフル出場させたり、途中出場の川西翔太をトップ下ではなくボランチで起用したりと、さまざまな手を打った。その末に奪った丸谷拓也の追加点、藤本憲明のだめ押し点は、次節以降へとつながる一撃となったはずだ。

 

 中でも、川西のプレーは特筆に値する。ピッチ全体を俯瞰(ふかん)できており、独特なリズムのドリブルを効果的に使いながら、ボールをキープし、パスを絡めて緩急の変化で得点機をつくる場面が見受けられた。決められたことをやり遂げようとする選手が多い中、自らの判断でプレーしており“やらされているプレー”がないのが特徴だろう。

 

 リーグ戦は残り10試合となった。一人ひとりが自分に与えられた役割を理解し、責任を持って遂行すればJ1自動昇格の2位以内も可能かもしれない。これから最終節まで、いくつかの「正念場」が必ず訪れるだろうが、難局を乗り越えるにはいい意味で予定調和を崩す川西のような存在が必要になってくる。

 「まずはカタさん(片野坂監督)のサッカーをして、チームが勝つために何ができるかを考えたい。その中で自分らしさを出していければいい。自分らしさを出すことが、チームにとっても意味があることだと思う」。淡々とした受け答えにも、自分のプレーに対する確固たる自信が垣間見える。何よりもゴールが求められる“ラスト10”では、彼のその自由な発想とスタイルこそが求められている。

 

残り試合でカギとなる川西翔太(左)

 

(柚野真也)

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