トリニータ トンネルを抜け、柔軟な戦い方が可能に

2018/08/05
  • 大分トリニータ

 一方で課題は失点の多さだ。特に先制され、相手に引かれると点を取るのは簡単ではない。勝てなかった時期は、どの試合も先制されている。ゴールキックからパスをつなぐスタイルであるため、ミスが失点に直結することは承知の上だが、割り切ってロングボールを多用することも考え、猛暑をいかに乗り切るかも指揮官の腕の見せどころとなる。

 

 強化部は指揮官を後方支援するために、岡野洵を千葉から期限付き移籍で獲得し、グレミオやクルゼイロなどブラジルの名門クラブで活躍したウィリアン エンリケ アントゥネスも加入が決まった。両者とも身長185cmを越える長身センターバックで、「足元の技術も高く、トリニータのスタイルに合致する選手」と西山強化部長は高く評価している。また、夏の補強として登録期間(ウインドー)が閉まる今月17日まで、「前線の選手を含め監督と話し合いながら考えたい」と新たな選手の獲得の可能性はゼロではないと明かした。

 

 ボランチの前田凌佑、DF岩田智輝といったこれまで出場機会に恵まれなかった選手が先発争いに加わり、チーム内の競争は激しさを増している。より高みを目指している姿に触れると、おのずと期待は膨らむ。片野坂監督の目指すスタイルが、これからどのように変化し、進化するのか-。J1昇格へ、クラブ一丸となって挑戦する姿を見届けたい。

 

最終ラインの起爆剤として千葉から加入した岡野洵

 

(柚野真也)

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