トリニータ 13節を終えて首位 その強さの秘訣とは?

2018/05/09
  • 大分トリニータ

継続路線での積み上げが大きい

 

 戦術面でチームの共通理解が深まり組織的に守れている。ゾーンディフェンスを基本として、細かくポジショニングを調整して距離を詰めていき、相手がボールを下げたら押し上げ、前を向かれたらバックする。ラインコントロールに細心の注意を払い、コンパクトな陣形を崩さないようにする。ボール保持者をそこまで追い込むわけではないが、体の向きやパスコースの切り方、プレスのタイミングなど約束事が徹底されており、状況に応じて選手個々かグループでの対応かの判断もできている。

 最終ラインとサイド、ボランチの距離感も適度に保たれ、スライドの仕方はスムーズでカバーリングの意識も高い。守備に関してはどれも当たり前のことだが、セオリーに忠実で質が徐々に上がっているのは確かだ。

 

 開幕からの戦いぶりを振り返ると、トリニータはすべての試合で主導権を握っていたわけではない。岡山のような守備の固いチーム、大宮や新潟など戦力で上回るチームには苦戦した。だが、劣勢のときは無理してパスをつながず、自分たちの流れがくるまで我慢強く守って、鋭利なカウンターで得点するパターンが確立されている。首位のチームだからこそ、対戦相手もトリニータのやり方を研究してくる。ゲーム序盤はうまくリズムをつかめないことも、折り込み済みで戦うべきだ。

 持ち味である連動したパスワークやハードワークを崩さず戦っていくうちに、相手も運動量が落ちたり、集中力が途切れたり、隙を見せるはずだ。それを見逃さずに一気に攻撃へ転じる。結局、開幕からそれができていたからこそ勝利をつかめたのだ。

 

片野坂監督によるチームづくりの手腕は大きい

 

(柚野真也) 

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