大分トリニータ 後半戦のキープレーヤー 揺るがぬ意思で最終ラインを統率する野嶽惇也 【大分県】
2025/06/20
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理想とするのは、かつて大分でもプレーした元日本代表・森重真人のような存在だという。後ろにどっしりと構えるリーダーがいることで、味方は思い切って前に出られる。「自分がいることでチームが機能すると思わせること」。それが野嶽が目指す「センターバック像」なのだ。
後半戦に向けては、右サイドで攻撃の起点をつくり、逆サイドから仕留める形を理想に掲げる。守備面では、特に外国籍FWとのマッチアップを通して多くを学び、経験値を高めている。「試合が一番の筋トレ」と笑う通り、日々の接触と駆け引きが、体とメンタルの両方を鍛えている。
また、野嶽の成長はフィジカル面にとどまらず、精神面の成熟にも表れている。主力が不在のときこそ自らが軸となり、ピッチ内外でバランスを保つ意識を強く持つようになったという。プレーだけでなく、姿勢や振る舞いを通じてチーム全体に影響を及ぼす存在へと変化しつつある。
引き分けの多かった前半戦。簡単に崩れなくなった守備の裏には、野嶽の頭脳が確かにあった。今やその存在はチームにとって不可欠。光の当たりづらいポジションで、静かに着実に信頼を勝ち取ってきた野嶽が、トリニータの命運を背負い、後半戦を走り抜く。
「センターバックは動じぬ心が大事だ」と語った
(柚野真也)