大分トリニータ 試される控え選手の覚悟、胸を突いた沈黙の10秒 【大分県】

2025/05/30
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 その叱咤(しった)は、確かに届いた。練習試合は控えメンバー主体の布陣だったが、九州リーグのチームに7-0の快勝。プレーには飢えと気迫がみなぎり、チームに漂っていた停滞感を吹き飛ばした。

 リーグ戦は前半戦の折り返しに差し掛かる。これまで固定された先発構成だったが、ここからは真の総力戦が求められる。チームに新たな風を吹き込む存在を待っている。

 

 その筆頭が、長期離脱から復帰したベテラン中川寛斗だ。天皇杯1回戦では2アシスト。試合を決定づける働きで、その存在感を改めて示した。「今は控え選手も自問自答しながら変化しようとしている。僕も彼らを生かすプレーをしたいし、自分もその中で好パフォーマンスを発揮したい。交代の瞬間に空気を変える。そういう選手が今のトリニータには必要だと思う」と語る中川の言葉には、実感と覚悟がにじむ。

 

 苦言と奮起、沈黙と再起。そのすべてが、今のトリニータには必要だった。競争が生まれ、選手層に厚みが増す。その変化は、確かな希望となってチームを押し上げていくはずだ。

 

練習から選手にアグレッシブさを求めている

 

 

(柚野真也)

 

 

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