大分トリニータ 清武弘嗣 16年ぶりのピッチで見せた勝たせる存在感 【大分県】

2025/02/18
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 後半44分、片野坂知宏監督が最後の交代カードを切った。背番号28、清武弘嗣。16シーズンぶりに大分のピッチへ足を踏み入れた。

 スタンドから大きな拍手が送られる。だが、清武にとってそれは特別な瞬間ではなかった。考えていたのは、自分の感情ではなく、目の前の試合をどう終わらせるかだった。

 

 「先発の11人が大きな覚悟で臨み、最後までよく走ってくれた」。試合後、清武はそう振り返った。チームとして戦えた試合。だが、満足はしていない。「(守勢になり)受ける場面が増えた。出た課題を改善していきたい」。試合の中に見えたほころび。課題を突きつけられることが、清武にとってはむしろ歓迎すべきことだった。

 

 片野坂監督は清武の投入の狙いを「試合をクローズするため」と語った。試合の流れを読み、相手の出方を見極め、必要な場所に立つ。求められたのは派手なプレーではなく、勝利を確実なものにする安定感だった。清武がピッチに立ったのはアディショナルタイムを含めて6分間。大分は落ち着きを取り戻し、そのまま無失点で試合を締めくくった。

 ピッチに立つと、懐かしさよりも責任感が勝った。J1昇格を目指す戦いは、始まったばかり。清武弘嗣の本当の戦いも、ここからがスタートとなる。

 

クローザーとして無失点で試合を終わらせた

 

 

(柚野真也)

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