大分トリニータ シーズン総括 戦い方を徹底できず低迷、降格危機で現実路線へ 【大分県】
2024/11/17
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この非常事態にフロントは迅速な対応を見せた。夏場のリーグ中断期間にDF吉田真那斗、MF高橋大悟を期限付き移籍で獲得するなど手を打った。しかし、思うような結果を残せなかった。目標は下方修正され、やがて残留に特化されたことで戦い方の方向性そのものの是非は問われなくなってしまった。「勝ち点を取らなければいけない状況になり、現実路線にシフトした。良いプレーと悪いプレーを明確にし、何を優先するのか細かく提示した」(片野坂監督)。終盤戦で展開されたのは、開幕前に目指したものとは異なり、安全第一の守備的サッカーであった。
苦肉の策であったが、勝ち点を取るための戦い方に徹したことで選手から迷いが消えたのは皮肉である。開幕前の目標を基準とすれば、今季のチームへの評価はどうしても厳しいものにならざるを得ない。成績不振が一因となり、長らく強化のトップに立った西山哲平GMが退任した。クラブは強化の術(すべ)を根本的に変え、来季から新たな体制にとなる。何を継承し、何を刷新するのかをもう一度吟味する必要があるだろう。今季チームが得たはずの教訓と課題は、今後の戦いに必ず生かさなければならない。
思うような結果、内容を出せずにシーズンを終えた
(柚野真也)