大分トリニータ 復調の弓場将輝がチームをけん引する 【大分県】

2023/09/22
  • 大分トリニータ

 試合に出られない悔しさは日を追うごとに増したが、改善策を見いだせず焦りにつながった。苦しむ弓場に手を差しのべたのが、岩瀬健ヘッドコーチだった。今月は個別に2度の個人ミーティングを行い、弓場の好調時のプレーを動画にまとめ、走行距離やアタック回数など数値化した。その上で長所と足りないものを明確にしたことで、頭を整理させた。客観的に自分のプレーを見直した弓場は、「一つ一つのプレーを考えながらこなすことも必要だが、強度を高く保つことや長い距離を走ることが僕には求められている。勢いというか思い切りの良さを忘れないようにしたい」と原点回帰した。

 

 前節の徳島戦では3試合ぶりに先発出場。試合勘に不安はあったが、後半はトップギアに切り替え、セカンドボールを回収し、ボールを奪えばそのまま相手ゴール前まで運ぶ場面が増えた。弓場の推進力が攻撃の足がかりとなり、チームに勢いをもたらした。弓場と近い位置でプレーする野村直輝は「ボールを奪いに前に出るストロングは出たが、味方からのパスを引き出す動き、そこから展開するパスの種類、ボールをキープして試合をコントロールするうまさが足りない。周りを引っ張り、いい影響を与えられるようなプレーを意識する必要がある」と厳しく評価したのは期待しているからこそ。弓場は「チームを勝たせる選手になりたい」と野村が常に口にする言葉を使うようになった。残り7試合、チームをけん引する覚悟の現れだ。

 

ピッチを縦横無尽に駆け回る

 

 

(柚野真也)

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