トリニータ 9月の連戦を前にポジション別最新序列 ボランチ&ウイングバック編
2020/09/02
- 大分トリニータ
【ボランチ(センターハーフ)】
不動の存在となった長谷川雄志。昨季の中盤から先発を勝ち取り、師匠と慕う小林裕紀とのコンビで飛躍的に成長した。左右遜色ない精度の高いキックを武器に、ワンステップで寸分の狂いなく逆サイドまでパスを届ける展開力がある。プレースキッカーとしての評価も高く、11節の札幌戦ではコーナーキックから得点を演出した。また、フィジカルが強く、コンタクトプレーも得意。大ブレークの予感がある。
長谷川の良さを引き出した小林裕紀だが、5節のG大阪戦以降はベンチからも外れた。公式発表がなく、けがによる離脱なのかは不明ではあるが、しばらくはピッチに出ることはなさそう。小林裕紀の穴埋めは、島川俊郎で落ち着いた感はある。豊富な運動量で中盤のスペースを埋める“汗かき役”だが、ゲームコントロールを意識したクレバーなプレーも見られるだけに、周囲の選手が気持ち良くプレーできそう。
サブには、ここ数試合で試合を閉めるクローザーとなった羽田健人が名を連ねる。本職はDFだが、対人に強く、エアバトルを得意とするルーキーは場数を踏み、課題である判断スピードが上がれば新境地を開拓できる可能性を秘めている。
一方で、出場機会を与えられながらアピールできずに終わったのが新加入の佐藤和弘であり、小手川宏基、試合中の負傷で離脱した前田凌佑だ。技巧派ではなく、シンプルなパスと守備の堅さが特性のバランサーを好む片野坂監督の意向に向かないのかもしれない。前線やサイドはシンプルな数的優位や質的優位で攻め、中央は堅く守りたいはず。そう考えると、片野坂監督のスタイルに当てはまるボランチは人材不足なのかもしれない。
プロ2年目も飛躍の年となっている長谷川雄志
(柚野真也)