トリニータ 正念場を乗り越える鍵は選手の主体性
2020/08/28
- 大分トリニータ
例えば攻撃においては、以前ならば「相手の変化を見て隙を突く」という意識が強かった。ただ、連敗していた頃は、相手のプレッシャーが少ないサイドに起点をつくって攻撃することを意識し過ぎ、攻撃が単調で停滞したケースが多かった。鈴木は「背後を狙わずサイドに(ボールを)持っていくことばかり考えていた。中を使いながら外を使ったり、外を使って中を使ったりの使い分けができなかった」と反省する。
連敗中のミーティングで片野坂監督から「(ピッチの中にいる)選手たちで判断してほしい」との話があり、何をすべきで何をしてはいけないかということよりも、状況に応じた自分の判断が優先されるようになった。もう一度、全員でコンセプトを明確にしたことで、「自分たちのサッカーに磨きをかける」(鈴木)との思いが強くなった。
片野坂監督の頭の中で、信頼できる大枠のメンバーが固まった。「見極めは必要になるが、元気な選手でやり繰りしたい。(メンバーを)固定することで連係面はよくなる」。今後も目の前の試合に対して戦い方を明確にし、判断は選手に委ねながら「タフに粘り強く戦うこと」を求める。結局のところ選手たちが主体的に対応していくしか方法はない。そしてそれを乗り越えた先に成長がある。このまま沈むわけにはいかない。リーグ戦は3分の1を過ぎたばかりだ。
連敗を脱し、チームの雰囲気は良い
(柚野真也)