トリニータ 新たな力が加わり、最良の組み合わせを見出し現状打破
2019/08/24
- 大分トリニータ
田中はサイドのスペシャリスト。「運動量が多く、スピードもあり、個の力で勝負でき、決定的な仕事をしてくれる」(西山部長)。既に先発に定着し、チームに欠かせない存在となっている。嶋田は希少価値の高い前線の左利きの選手。狭いエリアで前を向き、相手の急所を突くプレーができる。今は攻撃の切り札として後半からピッチに投入されることが多いが、嶋田は「どの場面でも得点に絡むプレーをしたい」と前向きだ。小林は今月13日に加入し、4日後の鹿島戦に先発出場した。片野坂監督は「攻守で安定感がある。状況に応じたプレーができ、試合をコントロールできる」と絶大な信頼を寄せる。また、キャプテンシーもあり、彼の持つ経験を若い選手たちがピッチ内外で学びチームに還元すれば、成績だけでなく今後のチームにとって大きな財産となる。特に前田凌佑や長谷川雄志ら若手ボランチにとって最高の見本となるはずだ。
後半戦に入り、大分の攻撃に対して守備ブロックを築いて構えるチームが多くなった。今後も広島、次の松本と守備の固いチームとの対戦が続く。片野坂監督は「相手が割り切った戦い方をしてくるようになった。それでもボールを持って動かし、焦れずにバランスを崩さず、メリハリをつけて戦うしかない」と試練に立ち向かう。この状況を打破すべく新たな戦力を加え、乗り越えた先にJ1残留がある。
田中、嶋田、小林の加入で各ポジションに競争が生まれている。戦術は浸透し、GKとDFは固定できているので、前線のトライアングルと両サイド、ボランチの特徴、組み合わせ次第で、オプションは多くなる。選択肢が多いほど使いこなせる指揮官がいるので、どんな組み合わせが良い化学反応を起こしてくれるのか楽しみだ。
攻撃の切り札となる嶋田慎太郎
(柚野真也)