大分高校書道部 全国を制する強さの秘密に迫る 【大分県】
2024/11/22
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「書道の魅力は、自分だけのストーリーがあること。ひと文字書くたびに、練習した感情を思い出せる」と佐藤は語る。この感性と努力の積み重ねが、3年連続で高大展制覇を達成する大きな力となった。今年は部長として、さらに大きな責任を背負い、部全体をまとめる役割を担う。「どんな大会でも、結果だけに左右されない部活を目指す」と話す佐藤は、例年以上に部員たちとのコミュニケーションを重視した。50人以上の大所帯の部員一人一人と向き合い、意見を交換するため、部会では円になって話し合う時間を増やした。「全員が同じ方向を向くことが、団体として強くなる秘訣(ひけつ)だと思う」と笑顔で語る。こうした取り組みが、部全体の結束力を高め、結果として多くの大会で好成績を収めることにつながった。
「歴史ある部の中で結果を出す責任の重さは計り知れない。でも、その壁を乗り越えた時、自分自身と仲間たちを誇りに思える」と佐藤。書道を通じて学んだことは、技術だけにとどまらない。「礼儀や立ち振る舞い、人としての成長も得られた」と語る。この経験は、これからの人生の財産になるはず。3年間の部活動で得たものを胸に、佐藤は教員という新たな夢に向かって歩み始める。「書道部は唯一、自分と向き合える場所でした。ここで得た全てを未来につなげたい」。自分と向き合い、仲間と支え合った日々が、彼女の新たな挑戦の原動力となっている。
全日本高校・大学書道展で3連覇達成
(塩月なつみ)