
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
国東高校女子バレーボール部が、今夏から新たなトレーニングを取り入れている。毎週一回、週明けに専門トレーナーを招へいし、視覚能力を高めることを目的に約90分のビジョントレーニングを実施する。「ボールの軌道がはっきり見える」、「相手のスパイクやサーブのスピードが遅く感じる」、「相手のブロックの指が見えるようになった」と選手の効果はさまざまだが、佐藤優介監督は「以前より判断力が増し、体のキレもよくなっている」と効果を口にする。
県内の強豪校として常に4強入りする国東だが、ここ十数年、東九州龍谷(東龍)が飛び抜け、その下に大分商業、臼杵、国東の3強の序列は変わらない。6月の県高校総体で東九州龍谷にストレート負けを喫し、佐藤監督は「現状維持のままでは東龍を追うことはできない。何か次の一手を考えなければ」と考えていたときに、ビジョントレーニングと出合った。「入ってくる情報のほとんどが視覚から。情報を正確に迅速に読み取って手と足が動く。それなら目を鍛えることから始めよう」と試みた。
特殊な機材を用いて視覚能力を高める
ビジョントレーニングとは「視覚能力の柔軟性を高めるトレーニング」と、指導する植村正トレーナーは話す。「基本は上下左右、斜め、前後と眼球を動かすことで動体視力、焦点合わせスピード、周辺視野の機能を向上させることができる。バレーに必要な距離感や空間把握力を高めている」。メニューは多様で、取材した日は3つのビーズが付いたヒモを使い、寄り目や開き目の柔軟性を高めるトレーニング(写真)などを行っていた。導入当初は疑心暗鬼だった選手もいたが、「1、2カ月経ったときにレシーブをしていたらボールがよく見えるようになり、相手の動きも良く見えるようになった。コートの中で冷静に対処できるようになった」とキャプテンの後藤奈々(2年)。佐藤監督は「ビジョントレーニングの成果は目だけではない。選手の集中力が以前よりも増したし、運動パフォーマンスも向上している」と実感する。これらの成果に対し、植村トレーナーは「素早い動きの中で物を捉える追従機能が上がったことがパフォーマンスの向上につながっている」と分析する。
「ボールが止まって見えるという選手がいる。私もそのレベルに達したい」と後藤。今ではウォーミングアップと同じように、練習前に自分の指2本を使い縦に、横にと動かして目の筋肉を動かしてから練習を始める。
1月の県高校新人大会に向けて、これまでと異なるアプローチで確かな手応えを得た。「一人一人が相手の変化に築いて、自分たちで考えてプレーができている」と佐藤監督。これまで粘って、つなぐ気迫を前面に出した雑草魂に観察眼が加わった。ビジョントレーニング効果を試す絶好に機会となるはずだ。
ビジョントレーニング効果は徐々に出ている
コンディショニング特集
(柚野真也)
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