
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
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全国選抜大会九州地区予選を兼ねた九州高校新人大会の男子ボート競技で、日田三隈がシングルスカルで優勝し、かじ付きクォドルで3位となり全国大会への切符を手にした。
シングルスカルに出場した長谷享(2年)は前評判通りの実力を発揮した。予選、準決勝は力を残し通過すると、決勝では前半から攻めた。後半追い上げを得意とする長谷だが、「レベルの高い大会では後半勝負だと逃げ切られる」とスタート直後からパワー全開。力強い漕ぎで水をつかみ、艇を滑らせ後続を引き離した。
今年は全国高校総体、福井しあわせ元気国体に出場したが予選落ち。「全国での自分の実力が分かった」と気落ちすることなく、すぐに再スタートした。「上の学年が引退し、日田三隈ではなく大分県のエースとしての責任と自覚を持ち、意識が変わった」と林仁哉監督。意識改革が長谷の実力を引き出した。キャプテンとして率先して声を出し、積極的に練習に取り組み、自分のスタイルを確立した。中学まで柔道をしていたこともあり体力には自信があった。有り余る力をオールに伝えることを意識し、水を捉える動作を反復したことで、「同じ動きを一定に保つことができるようになった」(長谷)。
県高校新人大会、九州高校新人大会で優勝し、大きな自信を得た。ボート競技の水上の動きを陸上のトレーニングマシンで漕力を測定する“ローイングエルゴメーター”では、「全国トップ20に入るパワーは実証済み。あとは技術を高めれば全国で入賞できる」と林監督は期待する。本人も自覚しており、春の全国選抜大会に向けて「体力と技術の両方を冬場に鍛える」と追い込むつもりだ。
力強い漕ぎで水をつかむ長谷享
かじ付きクォドルプルで全国選抜大会への出場権を得た武石虎己(2年)は、「予選から決勝まで全員が持てる力を出し切った。ギリギリの試合をして結果を残せたのは自信になる」と振り返る。
九州高校新人大会の決勝では、全国大会に出場できる3位争いはゴールまでもつれた。琴谷拓朗(2年)は「ラスト250㍍は気合で漕ぎきった。みんなの勝ちたい思いが艇を進ませた」と話し、藤井健吾(2年)も「これまでの練習の成果を出せて良かった」と結果に満足する。
ただ、出場権を得た女子のかじ付きクォドルプル同様に、全国選抜大会で誰が出場するかは分からない。林監督は「九州大会で出場権を得たメンバーが、そのまま全国大会に出場するわけではない。1年生はこれから急激に伸びる。2年生もうかうかしていられない。力のある5人を選ぶ」と競争を促す。
冬場は陸上での筋力トレーニングだけではなく、水上でのトレーニングも行う。「いよいよ来たという感じ。寒さとキツさを乗り越えて精神面と体力をレベルアップしたい」と武石。来春の全国選抜大会、夏の全国高校総体での活躍を思い描く。
全国選抜の出場権を得たかじ付きクォドルプルのメンバー
(柚野真也)
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