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夏の激闘がやってくる 第100回全国高校野球選手権記念大分大会

夏の激闘がやってくる 第100回全国高校野球選手権記念大分大会

 今年もこの季節がやってきた。45校44チーム(双国・宇佐産業科学は連合)が出場し、それぞれの思い、誇りを胸に激闘を繰り広げる。第100回となる記念大会に出場できるのは1チーム。大分大会の展望をお届けする。

 

 過去1年間の主要大会の結果を基に決められるポイントで、第1シードは明豊、佐伯鶴城、第2シードは柳ケ浦と藤蔭が獲得した。大分工業と大分上野丘の伝統校がオープニングマッチを戦う。

 

 Aブロックで最注目なのは明豊だろう。前回覇者であり、新チームになってからは春の九州地区大会で準優勝するなど、頭一つ抜けた存在となった。どの高校も甲子園出場を目指す中、甲子園で勝つことを目標としている。この目標設定がチーム全体のレベルを引き上げている。昨夏の甲子園でベスト8を経験したリードオフマン管大和(3年)とスラッガー浜田太貴(3年)を中心とする打線は強力。「相手を5点未満に抑え、5点以上取るのが必勝パターン」と管が話すように、打ち勝つ野球で頂点を目指す。

 明豊の初戦の相手となるのが大分工業-大分上野丘戦の勝者。ともに伝統校であり、スタジアムの応援を味方にできる見えない力がある。1回戦で勢いに乗れば、打倒明豊の最初の刺客となる。

 

 Bブロックでは柳ケ浦が有力。今大会で最も投手力があり、二枚看板と呼べるエースがいるのは心強い。「くじ運に恵まれた」と定岡智秋監督が話したのは、対戦相手ではなく、「決勝戦まで、すべて第1試合で戦える」ことだ。試合開始時間が計算できるのは大きく、「待ち時間に余計なことを考えなくていい。試合に集中できる」。特に投手は試合への調整に専念でき、外的不安要素が少ないのは大きなアドバンテージとなる。

 柳ケ浦の対抗馬となるのが、第3シードの情報科学や国東、大分国際情報。チーム力は高く、勝ち上がるたびにチームのエンジンの回転数は急激に上がりそうだ。

 

 実力校がひしめくCブロックは面白い。第1シードの佐伯鶴城は春の県選手権を制し、チーム自体がワンランク上のレベルに達した感がある。「優勝したことが大きな自信となっている」と高橋祐二監督が話すように、今大会に向けてチームの雰囲気は良く、練習も活気にあふれている。

 そのほか投打のバランスがいい鶴崎工業や最速140㌔超のエース翁長佳辰投手(2年)がいる日本文理大附属、昨年は2年生バッテリーが躍動した大分東明、力のある大分、大分舞鶴など、どこが勝ち上がっても不思議ではない。この激戦ブロックを勝ち抜けば、一気に優勝を狙える勢いが出るはずだ。

 

 最後にDブロック。春の県選手権で準優勝した藤蔭を筆頭に、強打者がそろう杵築、技巧派投手がチームを引っ張る竹田、古豪・津久見が追う。名前が挙がらなかった高校は下馬評が低いわけでは決してない。波乱なきトーナメントは面白みに欠ける。伏兵が上位に進出する番狂わせを起こせば、大会は盛り上がることだろう。ただ、願うのは周囲の視線がどうであろうと、ここまで自分たちがやってきた野球を見失わず、最後まで諦めずに戦ってほしいということ。「夏の大会はいつも練習でやってきたことができるチームが勝つ」と川崎絢平監督(明豊)。甲子園出場を懸け、熱き高校球児の戦いが始まる。

 

(柚野真也)