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2018県高校総体レポート(自転車競技・女子)注目選手

2018県高校総体レポート(自転車競技・女子)注目選手

2018県高校総体レポート〜憧れの舞台を目指して〜

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県内各地で熱戦が繰り広げられている県高校総体。

高校生アスリートの青春をかけたドラマは、

感動と興奮、歓喜と哀愁を与えてくれる。

今年も才能あふれる選手がそろった県内の高校スポーツ。

ここでは大分の未来を担っていく選手たちを紹介する。

 

得意の登りで追随許さず

 

阿南里奈(別府翔青高校2年)

 

 

 学校行事の競歩大会で優勝した無尽蔵のスタミナを武器に、県高校総体ではロードレースを制した阿南里奈。アップダウンのあるコースを得意とする典型的なロードレーサーは、3月の全国高校選抜大会で7位入賞し、今夏の全国高校総体での躍進が期待される。

 中学までバレーボール部に所属していたが、高校入学を機に自転車の魅力に取りつかれた。「駆け引きが楽しい」と、タイムを競う種目の多いトラック競技より着順を争うロードレースを好む。県高校総体では「ゴール前まで混戦となればスプリント勝負で負けてしまう。得意の登りで引き離そうと思った」と、最終周手前の登り坂で集団から一人飛び出した。「みんなの呼吸が一息つくのが分かった。(勝負は)ここしかないと思った」と一瞬の間を逃さず、一気に後続を引き離して逃げ切った。

 会心の勝利にも「狙い通りのスパートができたが、駆け引きが素直すぎた」と余韻に浸ることなく、勝負感を磨く必要があると話した。

 

どんな状況でも最善の結果を出す勝負師

 

上原萌花(別府翔青高校3年)

 

 

 「得意ではないロードレースでの準優勝は悪くはない」と振り返った上原萌花。ケイリンに続く2冠は達成できなかったが、終盤のスプリント勝負での手応えを感じたようだ。

 雨の影響で路面が滑りやすく、序盤はスリップなどの危険を回避し、慎重なレース展開となった。上原は先頭集団の真ん中に位置取りし、「最後のスプリント勝負になる」まで力を蓄えていた。誤算は最終周手前で優勝候補の阿南里奈がロングスパートをかけたこと。それでも冷静に試合展開を把握し、「2位狙い」に切り替え、「ちぎられない(大きな差をつけられない)ことだけ考えた」とゴール直前で前方を走る選手を抜き去り、2着となった。

 小学1年から陸上を始め、高校から自転車競技に転向したが、上原にとって競技は違っても「走ること」は同義であった。「姉が自転車競技をしていた影響もあるが、陸上より全国を目指せると思った」と自慢の脚力でペダルを踏み込む。どんな状況でも冷静にレース展開を読み、最善策を練り出す対応力を武器に全国舞台を目指す。

 

 

 (柚野真也)