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県高校新人大会 バレー女子 ぶっつけ本番で見せた女王のプライド。東九州龍谷が38連覇

県高校新人大会 バレー女子 ぶっつけ本番で見せた女王のプライド。東九州龍谷が38連覇

県高校新人大会 バレーボール女子

決勝 1月24日 大分商業高校体育館

東九州龍谷2−0大分商業

    (25―21)

    (25―23)

 

 東龍(東九州龍谷)が苦しみながら女王の座を死守。県高校新人大会のバレーボール女子決勝、大分商業を相手に2セットとも接戦となったが2−0のセットカウントで38連覇を達成した。竹内誠二監督は、「ほとんど練習ができない状態でのぶっつけ本番。よく頑張った。上出来」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 

 全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の準決勝で敗れた翌日、帰県してから新型コロナウイルスの感染予防対策として2週間の隔離を強いられた。その間に体育館で練習できたのは5日ほどで、体を軽く動かす程度に制限された。また、どの高校も状況は同じだったが県高校新人大会の開催の可否も前日まで分からず「モチベーションのコントロールが難しかった」(竹内監督)。

 

 春の高校バレーでコートに立った3年生は1人だけ。1、2年生が主力のチームであったが、その3年生が大エースの室岡莉乃。新チームはその大きな穴を突貫工事で埋めなければならなかった。「室岡さんが抜けて弱くなったと言われるのは嫌だった。不安だらけだったけど私たちのバレーは変わらない」と先頭に立ったのが新キャプテンの佐村真唯(2年)。プレーでチームを引っ張った室岡と異なり、「私は魂でチームを引っ張る」とコートでは誰よりも大きな声で仲間を鼓舞した。

 

苦しみながらも38連覇を達成した東九州龍谷

 

 2日間で5試合を消化した今大会。決勝戦はこれまでの貯金を費やし、残り少ない体力を振り絞った。チーム全員の動きは明らかに重かったが、1セット目は佐村とともに新チームの2本柱となる折立湖雪(2年)が力強いスパイクで引っ張った。終盤に4連続ポイントを与えて、一時は3点差まで追い込まれたが逃げ切った。2セット目は苦しんだ。サーブで崩され、いい形で佐村、折立につながらず、リードを許す展開が続く。それでも大崩れしなかったのは全国の猛者と対峙(たいじ)し、積み重ねた経験、日本一を宿命付けられた伝統校の誇りだ。「長い間続いた連覇の記録を私たちの代で途切らせるわけにはいかなかった」と要所で佐村が渾身(こんしん)のスパイクを決め、いつもより派手なガッツポーズでチームを盛り上げた。

 

 不安要素だらけの大会であったが、終わってみれば1セットも落とすことなく完全優勝。竹内監督は「ようやく明日から通常通りの練習ができる。今年もコロナ禍で予期せぬことがあると想定されるが、全員で新しいチームを作っていけるようにしたい」と話す。新生・東龍の序章が始まる。

 

強い気持ちでチームを引っ張った佐村真唯

 

 

(柚野真也)