バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
年男インタビュー③ バサジィ 吉田圭吾 強烈な闘争本能で敵の攻撃力をそぎ落とす
先例のないコロナ禍を前に、スポーツの在り方が問われた2020年。これまでと異なる制限下で、アスリートたちは感染を防ぐために自らを律し、ピッチやコートで自らを解放し、競技ができる喜びを体全体で表現した。新しい年を迎え、活躍が期待されるうし年生まれの県内に縁のあるアスリートに抱負などを語ってもらった。第3回は“次世代の日本代表”“ブレーク寸前”と評されながら、才能が開花し切れていないバサジィ大分の吉田圭吾。今季、残り5試合で確かな爪痕を残す覚悟がある。
フットサルFリーグは終盤戦に入った。バサジィ大分は残り5試合を残し暫定2位。16日に立川・府中アスレティックFCと対戦し、4試合ぶりの勝利を飾ったチームの起爆剤となったのが吉田圭吾だった。相手ゴールに近いところでボールを奪い、得点につなげるチームスタイルの「ファーストアクション」を担う。伊藤雅範監督は「彼に求めているのは前線からの強度の高い守備。他チームでは外国籍選手や日本代表の選手が受け持つポジションだが、吉田の守備力は高く、ポテンシャルがある」と高く評価する。
吉田本人も自分の武器を理解している。「相手が嫌だなと思うほど激しいプレッシャーをかけて、ボールを奪いたい」。目を輝かせ、ひたむきにボールを追う姿が吉田の真骨頂。豊富な運動量とハードワーク、強烈な闘争本能で敵の攻撃力をそぎ落とす。その闘争心あふれるプレーはチームを奮い立たせる。「与えられた時間で、自分の持ち味を出すことを考えている」。そう思えるようになったのは、吉田が尊敬する仁部屋和弘との出会いが大きい。
前線からの守備が吉田の真骨頂
長く日本代表に君臨する仁部屋を手本とする。練習時から手を抜かず100%の力を出し切り、練習後の自主練やケアも一挙一動をも逃さない。ここ1、2年では私生活でも距離を縮めた。「フットサルの取り組み方、考え方を学んでいる。理想は仁部屋さんのように、戦っている姿でチームを鼓舞する存在になり、チームの勝利に貢献したい」と熱く語る。
最近、周囲から「良いパフォーマンスを見せている」との声が届くが「自分ではそんなことはないと思っている。守備はそこそこできるようになったが攻撃は課題が多い。1試合の中で必ず2、3度はゴールに直結する場面がある。仁部屋さんは、そこを仕留めることができる。そこが、僕と決定的に違うところ」と吉田には慢心がない。
今年24歳になる年男は、仁部屋の後釜としてチームを背負う可能性を秘めている。「結果を出して、次の試合のモチベーションにしたい。長所を伸ばし、“欠点”の得点力を伸ばしたい」と向上心を抱き続ける。
チームの主軸としての活躍が期待される
(柚野真也)