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県高校駅伝競走大会(男子) 10連覇・大分東明の本当の戦いがこれから始まる

県高校駅伝競走大会(男子) 10連覇・大分東明の本当の戦いがこれから始まる

 第71回全国高校駅伝競走大会の男子県予選は1日、大分スポーツ公園内周回コースで7区間42㌔に20チームが参加して行われ、大分東明が2時間5分56秒で10年連続優勝を決めた。

 

 新型コロナウイルスの感染防止のため、例年の安心院でのロードレースではなく、公園内の周回コースで行われた今大会は、序盤に激しく競り合う展開となった。大分東明はエース区間の1区で庭瀬俊輝(3年)が失速。4㌔過ぎたに激しい差し込み(腹痛)が起き、リードを許す展開となる。1年の頃から全国高校駅伝に出場する庭瀬は、「無様な走りをしてしまった」と猛省。最終学年となり自分がチームを引っ張る思いが強過ぎた。10連覇の懸かる大会の重圧、アップダウンのあるコースなど、これまでと異なる条件はあったが「本番にピークを持っていけない自分の弱さ」と言い訳はしなかった。

 

 出足のつまずきが響いたが、「2区以降は慌てず立て直せる自信は全選手にあった」と井上浩監督。先頭の鶴崎工業から22秒差の2位で走り出した大森惇史(3年)がはやる気持ちを抑えながら、大分東明のギアチェンジ区間となる“中盤の準エース区間”につなぐ。3区のダンカン・キサイサ(3年)は「挽回したかった。調子は良かった」と早い段階から仕掛け抜き返し、4区の小山晴空(3年)が「上りと下りの走りに対応できていたので何も考えずに走った」と、一気に突き放して独走する。

 

巻き返しの原動力となったダンカン・キサイサと小山晴空

 

 4区まで経験のある3年生で構成し、終盤の3区に2年生3人を並べた。井上監督は「3年生が流れを作ってくれたので2年生が伸び伸び走れた。慌てずにレースを組み立ててくれた」と振り返る。2区以降は区間賞を全て獲得。優勝を飾ったが、これから全国大会の舞台となる都大路に向けて本格的な戦いが始まる。今大会のメンバー選考は全国大会までのオーディションに過ぎない。「(今大会の編成は)上位7番目までを並べたわけではない。これからチーム内で争って都大路までにいい形を作りたい」(井上監督)。

 

 高校最後の晴れ舞台に向け集大成となる3年生に、勢いある下級生が追う。戦力は拮抗。庭瀬は「日常生活から気を引き締め、走力を向上したい」と話し、小山は「終盤にスタミナ不足を感じた課題の残るレースとなった。都大路までには修正したい」と、さらなる高みへ決意を語った。これから都大路までの約2カ月間、大分東明の最も激しい“走力戦”が始まる。

 

これから激しいチーム内競争が始まる大分東明

 

 

(柚野真也)

大会結果